現時点でオールスター出場に「当確」マークがつく日本人投手は? 今年は1995年の野茂英雄氏以来となる日本人先発の可能性も

「当確」に極めて近い、レッドソックスの守護神

「当確」が点灯しているのは、ダルビッシュと田中の2人だが、「当確」に極めて近い人物がいる。レッドソックス守護神の上原浩治だ。言うまでもなく、昨季レッドソックスを世界一に率いた立役者の1人。今季こそ、チームが波に乗りきれずに歯がゆい日が続くが、上原自身は26試合に登板し、1勝1敗、12セーブ、防御率0・68という圧倒的な成績をキープしている(6月8日現在)。

 特に、今季はア・リーグに不足しているのが、絶対的な守護神の存在。ロイヤルズのホランド、ツインズのパーキンスといった面々がセーブ数を重ねているが、上原ほどの安定感があるとは言えない。昨季は「34番目の男」を選ぶ最終投票で、惜しくも出場を逃したが、今季は最終投票までもつれることなく堂々の出場が叶いそうだ。

 昨季オールスターに初選出されたマリナーズ岩隈久志は、と言えば、2年連続選出の可能性は五分五分か。今季も申し分ない成績を残しているが、エースのヘルナンデスが絶好調であること、今季加入した二塁手カノが選ばれるであろうことを考えると、選出が見送られる可能性もある。

 オールスターは、全球団から最低1選手が出場する決まりになっていて、投手の出場枠で“調整”が行われることが多い。マリナーズからは前述の2選手が選ばれる公算が高く、岩隈は調整の割を食うハメになってしまうかもしれない。

 オールスター開催まで、あと1カ月。一体誰が夢の舞台への切符を手に入れるのか。発表の瞬間が楽しみだ。

【了】

佐藤直子●文 text by Naoko Sato

群馬県出身。横浜国立大学教育学部卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2004年にフリーとなり渡米。以来、メジャーリーグを中心に取材活動を続ける。2006年から日刊スポーツ通信員。その他、趣味がこうじてプロレス関連の翻訳にも携わる。翻訳書に「リック・フレアー自伝 トゥー・ビー・ザ・マン」、「ストーンコールド・トゥルース」(ともにエンターブレイン)などがある。

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY