田中将大が目前で完封逃すもメジャートップタイの10勝目に到達 メジャー100Kも達成し「ストライクゾーンに集めて勝負できた」

田中は惜しくも完封を逃すも10勝目を飾る

 ヤンキースの田中将大投手(25)は敵地でのマリナーズ戦に先発し、9回6安打2失点の快投で10勝目(1敗)を挙げた。日本人では、石井一久(2002年、ドジャース)の12試合に次いで2番目のスピード記録となる、メジャー13試合目で2ケタ勝利に到達。初完封を達成した5月14日のメッツ戦に続いて、メジャー2度目の完投。5回1死から5者連続三振を記録するなど、メジャー4度目の2ケタ奪三振となる11K。メジャー通算103奪三振と早くも大台を突破し、防御率は2・02でトップを守った。

 この日の田中はキレのある直球を軸に、宝刀のスプリットも冴え渡って、立ち上がりから圧巻の投球を見せた。1、2回を三者凡退に抑えると、ヤンキース打線は3回にジャコビー・エルズベリーのタイムリーで先制。これでさらにギアを上げた田中は、3回に先頭のマイク・ズニーノから初三振を奪う。さらに、2死からコール・ギレスピーも空振り三振に仕留め、この回までパーフェクト投球。9人をわずか26球で料理した。

 4回には1死からジョーンズに初ヒットを許す。さらに、カイル・シーガーにもライト前に運ばれて2死1、2塁と初めてピンチを迎えると、田中の表情が引き締まった。ローガン・モリソンを追い込むと、最後はスプリットで空振り三振を奪った。

 直後の5回の攻撃でマーク・テシェーラの3ランが飛び出すと、田中のギアがさらに上がる。5回1死のマイク・ズニーノから6回まで圧巻の5者連続三振。6回1死でチャベスから奪った三振が、早くもメジャー通算100K目となった。デビュー13試合目での三振数は “兄貴分”のダルビッシュ(88)を上回るペースとなっている。

 8回には連打を浴びて1死1、3塁のピンチ。この試合で初めて3塁に走者を背負った。しかし、ギレスピーをセカンドライナーに仕留めると、一塁走者が飛び出してダブルプレー。初めてともいえるピンチを切り抜けた田中はダッグアウトに戻りながら雄叫びを上げ、グラブを力強く叩いて喜んだ。

 8回まで92球と余力を残していた田中は、9回もマウンドへ。しかし、1死から内野安打を許すと、カノに2ランを浴びて目前で完封を逃した。それでも、続くシーガーは力強い直球で見逃し三振。最後の打者となったモリソンも見逃し三振に仕留めた。

 この日はレンジャーズのダルビッシュ有もマーリンズ戦でメジャー初完封を達成。史上初となる日本人投手の同日完封達成に期待がかかったが、それはならなかった。だが、登板直後には「全体的にまとまっていたし、よかったと思う。ストライクゾーンに集めて勝負できた」と満足げ。カノに打たれた本塁打については「あの球を左中間に打たれる経験はあまりないので、失投とは思わなかった。切り替えられた」と話した。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY