黒田博樹が度重なる不運に見舞われて5敗目 地元メディアからは同情的な声も
試合開始直前に捕手が変わるというアクシデント
ヤンキースの黒田博樹投手(39)は14日(日本時間15日)、敵地でのアスレチックス戦で5回途中5安打4失点と粘りきれず、5敗目(4勝)を喫した。照明の故障による中断や、試合直前の捕手の変更など不運にも見舞われ、チームも1-5で敗れて連勝が4でストップ。現地報道では試合の中断に焦点を当てた記事が多く、結果的に先発の役割を果たせなかったベテラン右腕に対しては同情的な声も上がっている。
この日、最も大きなアクシデントとなったのは1-2で迎えた4回に起きた照明の故障だ。
黒田が4回のマウンドに上がると、オー・ドットコー・コロシアムのレフトにあるライトのほとんどがダウン。球場の担当者があらゆる手を尽くしたが、すぐには復旧しなかった。いったんは守備位置に付いていたヤンキースの選手はベンチに戻って待機したが、照明が戻ってゲームが再開するまでに38分を要した。その間、黒田はベンチで集中を切らさないように厳しい表情を崩さなかった。
再開直後の4回は三者凡退の危なげない投球を見せたが、中断中に気を張り続けた影響は5回に出た。地元紙ニューズデイは「5回は(4回と)同じようにうまくはいかなかった」と報じている。その指摘通り、黒田は制球を乱し、先頭のエリック・ソガードに四球を与えてしまう。
さらに、ここからは味方のまずい守備に足を引っ張られる。次打者のココ・クリスプが3塁線へのセーフティーバントを試みると、見送れば切れてファウルになろうかというゴロをケリー・ジョンソンが処理し、1塁に送球したが間に合わなかった。続くジョン・ジェイソの打席では捕手のジョン・ライアン・マーフィーが変化球を捕逸。無死2、3塁となり、直後の一ゴロで3点目を許して2点差に広げられた。
さらに、続くジョシュ・ドナルドソンの打席で1死3塁からマーフィーが再び何でもない変化球を捕逸。痛恨の4点目を奪われ、黒田は2死走者なしからヒットを許したところで交代を告げられた。
地元紙デイリー・ニューズによると、ヤンキースの先発マスクは当初、正捕手のブライアン・マッキャンの予定だったという。しかし、ファーストでスタメンに名を連ねていたマーク・テシェーラが故障で「試合開始の25分前」に先発を回避。マッキャンがファーストに回り、マーフィーが急遽キャッチャーで先発した。
確かに黒田とマーフィーのコンビネーションは悪くないが、ピッチャーにとって試合直前でパートナーが代わる影響はいろいろな面で大きい。2つの捕逸も、マッキャンなら起こらなかった可能性が高い。
度重なる不運が影響しての黒星。前回登板まで2試合連続でクオリティー・スタート(6回以上を自責3以内)と調子に乗りかけていた黒田だったが、再び黒星先行となってしまった。球団公式サイトは「黒田は調子に乗れず、ヤンキースの連勝は途切れた」と嘆いた。防御率は4・32。93球を投げて、ストライクは55球だった。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count