名門を支え続ける田中将大 同僚、監督も「地球上で最高の投手」「究極的に重要な存在」
今季11勝目に地元紙も「タナカがブルージェイズを支配」
ヤンキースの田中将大投手が本拠地のブルージェイズ戦に先発し、6回5安打1失点で3-1勝利に大きく貢献した。メジャー単独トップの11勝目をマーク。防御率もついに1点台に突入する1・99となったエースを、地元メディアや同僚も絶賛している。
地元紙ニューヨークポストは「タナカがジェイズ(ブルージェイズの略称)を支配し、ヤンキースは大事な初戦で勝利」との見出しで特集。記事では、現在ひざの故障で故障者リスト入りし、ようやく投球練習を再開させた開幕当初の先発ローテーション1番手、CC・サバシア投手の絶賛コメントから始まる。
「間違いなく、タナカは地球上で最高の投手だね」
実績抜群で開幕前はエースを自認していたサバシアはブルージェイズ戦前に笑顔でそう話していたというが、記事では「笑いごとではない」と新エースの偉大さを称えている。
ヤンキースは今季36勝33敗と低調だが、まだア・リーグ東地区の首位争いでゲーム差3・5の2位につけている。その理由について記事では「ブルージェイズが強豪ではないために東地区の優勝争いはまだオープンとなっている。もう1つの理由はタナカだ」と評している。
田中が先発した14試合でヤンキースは12勝2敗。他の投手の先発試合は合計24勝31敗という数字を見ても、田中の貢献度がいかに高いかが分かる。
この日の田中は闘争心が際立っていたという。奇しくも4月4日のメジャーデビュー戦以来の対戦となったブルージェイズ相手に2試合連続で先頭打者にホームランを打たれた田中だが、ブレット・ガードナー外野手はエースの決意をマウンドから感じていたという。「先頭打者ホームランは何よりも痛い。彼はすごく憤っていた。彼は憤ると凄く闘争心をむき出しに戦うんだ」と語っている。6回終了時点で球数は104球。相手に粘られながらも、堂々の10三振を奪った。
この日でヤンキース通算600勝となったジョー・ジラルディ監督は「他の投手から(田中クラスの成績を)要求するのはフェアじゃないね。どんなボールを持っていようが、110マイル(177キロ)の速球を投げようがね」と絶賛。浮世離れした177キロの速球投手でも田中の現在継続している偉業は成し得ないというのが指揮官の考えのようだ。
一方、ESPNは「デジャ・ブルージェイズ タナカは再びトロントで燃やす」という大見出しで特集。田中にとっては4月4日のメジャーデビュー戦に続くブルージェイズ相手の勝利と「デジャヴュ(既視感)」をかけて、こう報じている
「彼はアメイジングなピッチングだった。いつも彼がマウンドに立つたびに感銘を受けるよ」とブライアン・マッキャン捕手もコメント。田中はここ5戦5勝で防御率は1・26という衝撃的な数字を記録するなど、好調を持続している。
地元紙「ニューヨーク・デイリーニューズ」も「マサヒロ タナカがブルージェイズを支配」と大見出しで特集。ジラルディ監督はこの日の試合前に「彼は我々の先発ローテーションで究極的に重要な存在だ。他の投手のようなプレッシャーをかけないようにしている。我々が勝率5割以上でいられる最大の理由は、彼なのだから」とコメントしていたという。その期待に見事に応えた田中。ピンストライプの名門におけるその存在感は高まる一方だ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count