田中将大は自己最多のシーズン226イニングを超える!? サイ・ヤング賞獲得へ順調なペース
ヤンキース監督が「226イニングのペースで登板している」と語る
ヤンキースの田中将大投手が、メジャー1年目で自己最多の投球回数を記録しそうだ。ここまで15試合に登板し、106回2/3を投げているルーキー右腕について、ヤンキースのジョー・ジラルディ監督がシーズン226回に達する見込みであるとの見解を示した。ニュースサイトのNorthJersey.comが伝えている。サイ・ヤング賞獲得には、メジャーで先発投手の評価基準の1つとされている200イニング以上が必要とされているが、軽くクリアすることになりそうだ。
田中は28日午後7時15分(日本時間29日午前8時15分)プレイボールのレッドソックス戦で今季16試合目の先発マウンドに上がる。26日がオフだったため、当初は低調なパフォーマンスが続くビダル・ヌノの登板を1度飛ばして、田中を中4日の27日に前倒しするとの見方もあったが、指揮官は疲労を考慮。ルーキー右腕の休みを削ることはなかった。このことで、田中は前半戦最終戦となる7月13日のオリオールズ戦に先発することが確実。中1日で行われるオールスター戦に選出されても、本人が希望しなければ登板できなくなる。
めざましい活躍を続けるルーキーをオールスターで見たいとの声は多い。記事によると、なぜ田中の日程を詰めなかったのかを地元メディアから聞かれたジラルディ監督は、うんざりとした様子で答えたという。
「オーケー、このことを話すのはこれで最後にしよう。なぜなら、私はこの質問に10回は答えてきたよね? いらいらしているわけではないが、理解できない。田中はこれまでに(レギュラーシーズンで)226イニングまでしか投げたことがない。そして(今年は)226イニングのペースで登板している。彼は(日本では)中6日で投げていたんだ」
今季メジャーにおいて日本とは違い原則として中4日でマウンドに上がり続けている右腕の疲労を考慮していることを明かしている。
そして、この発言からもう1つ分かるのは、田中が自己最多ペースで投球回数を積み重ねていることだ。田中が楽天時代に最もイニング数を重ねたのは1度目の沢村賞に輝いた2011年で、指揮官が話した通り226回1/3を投げている。
メジャーでは、シーズン200イニングが先発投手の大きな評価基準の1つとされている。厳しい移動が伴うタイトな日程の中、故障などで離脱することなく、安定して長いイニングを投げられるピッチャーが高く評価されるからだ。昨年、ア・リーグの15球団でクリアしたのは20人で、一昨年は12人。各チームでほぼ1人ずつ、つまりエースクラスしか達成していないことが分かる。ヤンキースの黒田博樹は200イニングに大きなこだわりを持っており、昨年まで3年連続で到達した。これはメジャーの日本人投手として初の快挙だった。
昨年、ア・リーグでサイ・ヤング賞に輝いたマックス・シャーザー(タイガース)は214回1/3を投げた。そして、投票で2位だったダルビッシュ有(レンジャーズ)は209回2/3、3位だった岩隈久志(マリナーズ)は219回2/3だった。すでに今季の最有力候補との声が上がり始めている田中がメジャー1年目から投手として最高の栄誉に輝くには欠かせない要素だが、ジラルディ監督はその“ハードル”について問題なくクリアすると見ているようだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count