イチローのレーザービーム送球はメジャー史上最高の補殺!?
メジャーにはとんでもない強肩の持ち主がいる
2番目に出てくるのは、ブラディミール・ゲレーロの強肩だ。エクスポズ時代のブルージェイズ戦で右翼を守っていたゲレーロは、右中間へのヒットをワンバウンドで取ると、ノーバンドで本塁まで送球。悠々と2塁走者を刺した。本塁までの距離を考えれば信じがたいプレーだ。ちなみに、ピッチャーは吉井理人だった。その送球は「キャノン」と呼ばれ、動画の解説では「元エクスポズの外野手は間違いなく彼の世代で最高の肩を持っていた」と絶賛されている。
【動画】ウラジミール・ゲレーロの強肩
3番目はアメリカンフットボールとの「二刀流」として知られるボー・ジャクソンの補殺。ヤンキース戦で右翼を守っていたホワイトソックスのジャクソンは、深い位置で飛球をつかんでから、ほとんどステップすることなく3塁へ送球し、タッチアップした2塁走者を仕留めた。3塁手の手前でショートバウンドこそしたものの、驚異的な身体能力を見せつけたワンプレーで、「ボー・ジャクソンは恐ろしいフットワークをフローズンロープ(鋭いライナーを意味する野球用語)で補う」と題名がつけられている。送球に備えて助走をつけたりすることなく、外野手としてはやや緩慢にも見えるステップからボールを投げたことが、強肩ぶりを余計に際立たせている。
【動画】ボー・ジャクソンの補殺
4番目は昨年メジャーデビューしたヤシエル・プイグ。昨年のブレーブス戦で見せた補殺は記憶に新しい。1死1塁でライト前ヒットを猛然と前進して捕球すると、ほとんどテイクバックを取ることなく3塁へ送球。イチローを彷彿とさせるレーザービーム送球で一塁走者を刺した。こちらも驚異的な身体能力を持つからこそなせる技で、動画の解説では「ヤシエル・プイグはすべてのことをうまくこなせる。それには外野からのレーザースローも含まれる」としている。
【動画】ヤシエル・プイグの補殺
そして、最後に登場するのはホセ・ギーエンだ。パイレーツ時代、右翼への大飛球をフェンス目前でジャンプして捕球しようとしたが、頭を越されてしまう。しかし、フェンスに当たった打球を素早くつかむと、ノーバウンドで3塁へ送球。トリプルを狙った打者を見事にアウトにした。これも距離からすれば考えられないスローイング。「ただこの送球を見てくれ。非現実的だ。ほかのコメントは必要ない」。動画の説明がすべてを物語っている。
【動画】ホセ・ギーエンのノーバウンド送球
すべての動画を見比べると、メジャーにはとんでもない強肩の持ち主がいることがよく分かる。ただ、日本中が熱狂したイチローのレーザービーム送球は、メジャーでも後世に語り継がれていくプレーだったことは間違いない。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count