今季4敗目の田中将大に辛辣な地元紙が手のひら返しで批判モードに ヤンキース監督、同僚は擁護「どんな投手でも経験すること」
田中将大が経験しているニューヨークならではの洗礼
ヤンキースの田中将大投手が8日(日本時間9日)のインディアンス戦で6回3分の2を投げ、メジャー自己ワーストの10安打5失点で降板。試合は3-5で敗れ、4敗目(12勝)を喫した。6月22日のオリオールズ戦から4試合で3敗を喫したエースに対し、辛辣な地元メディアはこれまでの絶賛モードから一転、バッシングの気配を見せている。地元紙ニューヨーク・ポストは「(ツーランホームランを打った)スウィッシャーが田中を捕捉し、インディアンスがヤンキースに勝つ」という見出しで試合を特集している。
記事は冒頭で今季沈没寸前の名門を救ってきたエースに吹きつつある逆風をこう表現している。
「自虐的なヤンキースファンは、この球団の問題点についての終わりの見えない怒号にマサヒロ タナカを加えることになった」
ここ最近調子を落としているとはいえ、田中は現時点でメジャートップの12勝をマーク。ヤンキースが混戦モードのア・リーグ東地区でプレーオフ進出争いに踏みとどまれているのも、メジャー加入1年目の田中が奮闘していることが最大の要因だ。しかし、ニューヨークのメディアはまだ4敗しか喫していない右腕に対して、早くも手のひら返しを見せている。
記事では「彼はケガをしているのか?」「なんであそこまでの大金を費やしたんだ」「消耗している」「球数がかさみ過ぎだ」「(田中は)そこまで良くないって言っただろ」「デビッド・プライスとトレードに出せ」「3Aに送るべし」というソーシャルメディア上で飛び交うようになったヒステリックなファンの言葉を羅列している。
今季はメジャーデビューからの最多記録に並ぶ16試合連続のクオリティ・スタート(QS、6回以上を投げ、自責点3以下)を達成。その後、2試合連続でQSこそ逃したものの、防御率2・51はいまだリーグ2位だ。チームのために粉骨砕身する右腕は名実ともにヤンキースのエースとなったが、この地元メディアとネット上の凄まじい反応こそがニューヨークならではの洗礼とも言える。