新人王最有力と目された右腕に早くも試練 大瀬良大地は活路を開けるか

自身が分析する、不振の要因

 不振の原因は、どこにあるのか。自身はこう分析する。

「インコースを突いても、意識させられていない。外の真っすぐを、踏み込まれて打たれている。もっと厳しく攻めていくことが必要」

 内角を厳しく攻められず、配球が外中心になる。アマチュア時代は、それで抑えられても、シーズンに何度も対戦機会があり、データが積み重ねられるプロの世界だ。150キロ前後の真っすぐと切れ味鋭いカットボールがあっても、狙いを定められると痛打を食らう。

「分かっていても打たれないというのが理想ですけど、それだけのボールが、今の僕にはない。配球とか、色んな考えられることをやっていかないと。オッと思われることを出来るようにしたい」

 そう課題を掲げる。

 8日の試合後、野村監督は「ちょっと時間をかけての修正が必要かな。スピードが出ていないわけじゃない。どうなのか分からないけど、本人も何でだろうという感じ。ローテを1年守るというのは、大きな自信になるし、守って欲しいけど、そうも言っていられない」と、2軍での再調整の可能性も示唆している。

 9日の練習では、早速、山内投手コーチからマンツーマンでの指導を受け、修正に乗り出した。現在、チームは9連戦中。台所事情も決してラクではないため、オールスター前に、もう1度先発機会がある見込みだが、そこでも復調の兆しを見せられないようなら……。ローテの一角を守り通してきた背番号14が、プロとして最初の試練の時を迎えている。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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