ダルビッシュにとっては消化不良の登板も両軍監督は怪我を懸念 続行なら肉離れのリスクも
グラウンド状況で故障者リストが増えるリスクは許容できない
レンジャーズのダルビッシュ有投手が23日(日本時間24日)、敵地でのヤンキース戦に先発し、6敗目(9勝)を喫した。1-2と1点をリードされて迎えた5回途中で雷雨に見舞われ、1時間49分中断の末にコールドゲームとなった。グラウンド状態が予想以上にぬかるんでいたために両監督が選手の怪我を懸念していた様子を複数のメディアが伝えている。
ESPNによると、ヤンキースのジョー・ジラルディ監督は「ロン・ワシントンは(ぬかるんだグラウンド状態では)ハムストリングを肉離れするだろうと言っていた。うちの選手が安全かどうか疑問だ。断固としてやるべきなのか、と私は話した」と語り、「選手がプレーすべきでないグラウンドの状況のせいで誰かが故障者リストに行くことはどちらにとっても許容すべきものではない」ともコメント。コールドゲームとなったことにより、ヤンキースは幸運な白星を手にしたが、レンジャーズのワシントン監督も試合の続行には懸念を示していたことを明かしている。
開幕前に優勝候補の一角とされたレンジャーズだが、現在、まさかの借金21でメジャー最低勝率に苦しんでいる。その中で、レンジャーズで孤軍奮闘するダルビッシュにとっては無念の黒星となったが、土砂降りの雨に濡れたグラウンド状態に、ワシントン監督も選手の負傷のリスクを感じていたようだ。
今季のレンジャーズの低迷の要因はまさにこの負傷者の続出にある。投手陣では先発の柱となるマット・ハリソン、デレク・ホランドを筆頭に7選手、野手ではタイガースからトレードで加入した強打者プリンス・フィルダー一塁手や期待の若手ジュリクソン・プロファー内野手ら6人が現在、故障リスト入りしている。レンジャーズがすでに極度の低迷に陥っているとはいえ、これ以上、ダルビッシュ投手ら主力に怪我人を出すわけにいかない。
一方で、ア・リーグ東地区2位で2年ぶりのプレーオフ進出を目指すヤンキースも開幕当初の先発ローテーションのうち田中将大投手、CC・サバシア投手、イバン・ノバ投手、マイケル・ピネダ投手という4人が故障者リスト入り。唯一の生き残りは黒田博樹投手となっている。ケリー・ジョンソンも足の付け根付近の故障で精密検査を受け、故障者リスト入りしたばかりだ。
両軍の監督にとって、故障者は悩みの種。ダルビッシュにとっては消化不良の登板となってしまったが、レンジャーズにとっては怪我人を出さなかったことが不幸中の幸いだったかもしれない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count