運命の日を乗り切った田中将大 早期復帰か入念な治療かで揺れるヤンキースのジレンマ
痛みなく練習を終えた田中は、当面手術を回避できる状況に
ヤンキースの田中将大投手(25)が4日(日本時間5日)、右肘靭帯の部分断裂と診断されて以来、初となるキャッチボールを行った。先月8日のインディアンス戦後に右肘の痛みを訴えてから約1か月。ジョー・ジラルディ監督が見守る中、約20メートルの距離で25球、ウオーミングアップを含めると約50球、右肘の状態を確かめながらボールを投げた。
「一つステップアップができたということで、ホッとしている。これからどんどん投げる距離、投げる強度というのも上がっていくと思いますけど、まずは第一歩、今日、第一歩かなと思います」
練習後、田中はそう口にした。
地元メディアがヤンキースのプレーオフ進出に向けて「今季最も重要な1日」と位置づけた運命の日。現地では田中がこのまま順調に回復していくのか、それとも手術に踏み切らなければいけないのか、このキャッチボールの再開である程度、方向性が出るとされていた。
田中は負傷後、ヤンキースのチームドクターらの診断により、腱を肘に移植するトミー・ジョン手術を行わず、保存療法を選択。7月14日にはPRP皮膚再生療法の一環で自らの血液から抽出した多血小板血漿を患部に注射した。それからちょうど3週間後のキャッチボール再開は、階段を上がる上で大きなポイントだった。
そして田中は痛みなく練習を終えることができた。これにより当面は手術を回避できる状況となり、今季中の復帰に向けて大きな一歩を踏み出すことになった。