運命の日を乗り切った田中将大 早期復帰か入念な治療かで揺れるヤンキースのジレンマ
本人は「のんびりやらしてください」
指揮官は復帰への過程について、「最初は60フィート(約18メートル)のキャッチボール。そこから、90フィート(約27メートル)、120フィート(約36メートル)。そして、平地での投球練習。そして、ブルペン。リハビリ用の試合と移っていく」と語っている。
早期復帰を望む声と、慎重な治療で万全な状態での復帰を望む声。今後どちらに振れていくかはヤンキースの思惑も少なからず影響していくだろう。開幕時の先発ローテーション5投手のうち4人が離脱しながら、どうにかプレーオフ進出争いに踏みとどまっている名門球団。
現在3連勝中でア・リーグ東地区3位につけ、首位オリオールズとはゲーム差5。ワイルドカード争いでは1差で、前半戦でメジャートップタイの12勝を挙げた田中が戻ってくれば、大きな追い風となるのは間違いない。反面、多くの投手が肘の違和感を訴えた後に手術に踏み切らざるを得なかったことも曲げようのない事実だ。
「のんびりやらしてください」
田中はそう話した。長期的スパンで見れば、やはりしっかりと治して戻ってくるのが一番だ。田中がもしマウンドに戻るときは、その黄金の右腕が完治しているときだと信じたい。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count