メジャー全監督が選ぶ「ベストピッチャー」で田中将大が2位に 負傷離脱もその圧巻の投球はいまだ光り輝く
田中の活躍で生まれた「タナカマニア」
負傷者が続出し、黒田博樹投手もなかなか調子が上がらなかったヤンキースの先発陣において、田中は孤軍奮闘の働きを見せてきた。投げると分かっていても打てない伝家の宝刀、スプリットは田中のトレードマークとなった。故障離脱前の4試合は1勝3敗と下降気味となったが、6月17日のブルージェイズ戦時点では11勝1敗、防御率1・99と凄まじい成績だった。負傷で辞退したが、オールスターにも選出され、新人王、サイ・ヤング賞、MVPの有力候補にも挙がり、「タナカマニア」「スプリットキング」という言葉が生まれるほどだった。
一方、1位のキング・フェリックスは現在、2010年以来のサイ・ヤング賞受賞が有力視されている。貧打のマリナーズにおいて、24試合に先発し、12勝3敗と勝敗の付かない試合が多いが、防御率1・97はリーグトップ、186奪三振は同2位。15試合連続で7回以上を投げ、自責点2以下というハイクオリティ・スタートを記録する圧巻のピッチングを続けている。
3位のレスターは昨年レッドソックスのワールドシリーズ制覇に貢献した生え抜きのエースだったが、昨季王者が今季まさかの不振に陥ったことにより、7月末にヨエニス・セステベスとの電撃トレードでアスレチックスに移籍した。今季限りで契約満了となるために、愛着の深いレッドソックス復帰の願望を口にするなど、その去就も注目されている。レスターは今季22試合登板で11勝7敗、152奪三振で防御率は2・59となっている。
田中は今後、右肘の負傷を無事完治させ、再び前半戦のような圧巻の投球を披露することができるのか。メジャー球団を率いる監督も高い評価を下す田中ならば、キングの座を脅かすようなピッチングも夢ではない。誰もがその完全復活を待ち望んでいる。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count