ヤンキースのレジェンドが語った日本人選手への特別な思い

多くの日本人選手と友情を深めてきたジーター

 ヤンキースのデレク・ジーター内野手は、日本人選手と関わりの深い選手だ。盟友の松井秀喜氏をはじめ、イチロー、黒田博樹ら日本人メジャーリーガーがピンストライプのユニホームを着てプレーするたびに、眩いばかりの光を放つキャプテンはいつも同じフィールドに立ち、勝利だけを目指してともに戦ってきた。今年の田中将大のように、新加入の選手がチームに溶け込めるように明るくサポートするのもジーターの役割だった。

 そんな男の目に日本人選手はどう映っているのか。今季限りでの引退を表明している40歳は8日(日本時間9日)、ヤンキースタジアムで日本メディア向けの記者会見に応じた。

「オハヨウゴザイマス!」

 そう挨拶しながら会見場に入ってくると、時折、ジョークを交えながら1つ1つの質問に丁寧に答えた。その言葉には日本に対する愛情が溢れていた。

「多くの日本人選手と一緒にプレーできたばかりでなく、異なる文化や異なる言語を知ることが出来たのは自分にとって光栄なことだった。ほとんどの外国人選手に尊敬の念を持っている。なぜなら、彼らは環境が異なるこの国に来て、野球をやるんだ。文化も違うアメリカで、それらに適応していかなくちゃいけないからね。野球では、日本人選手は本当に細かいところまで配慮するし、実際に細かいところをプレーしてくる」

 ジーターほどのスーパースターが日本から来た選手に常に敬意を持って接してきたからこそ、良好な関係が築き上げられていったのだろう。それは堅苦しいものではなく、心と心が通った真の友情だったようだ。

「いろんな性格の選手に出会えたし、日本語も分かってきた。僕が知っている日本語のほとんどは悪い言葉だけだから、何とも言えないけどね。自分にとって、彼らと知り合えたのは楽しいことだったよ。(現在)チームメイトの黒田、田中、イチローはもちろん尊敬している。毎日、彼らと顔を合わせているし、友情も深めているよ」

 特に、ジーターと松井氏が特別な友情で結ばれているのは有名な話だ。チームが勝つためには自分自身が犠牲になることもいとわない点など、野球に対する2人の考え方は似ている部分も多い。

 お互いを尊敬し合い、人間としての波長も合う。そんな2人の関係は、チームメイトではなくなってから約5年が経過した今でも変わっていない。

「友情という意味では松井ということになるだろうね。いつも言ってるように、彼は自分にとって最もお気に入りのチームメイトのひとりだ。彼は『トシヨリ』だよ。本当に楽しくプレーした仲間だ」

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