主砲の不在もなんのその 広島の窮地は「おさむちゃん」が救う

ロサリオは昇格後4試合で16打数8安打の大当たり

 首位を追いかけるカープに、そして23年ぶりの優勝を期待するカープファンに衝撃が走ったのは、8月14日のことだった。マツダスタジアムでのヤクルト戦直前。33本塁打、91打点とリーグ2冠王を走り、ここまでチームをけん引してきたエルドレッドの出場選手登録が抹消されたのだ。

 8月に入り、絶不調に陥っていた主砲。抹消される前日、13日のヤクルト戦(マツダ)でも4打数無安打2三振に終わって、19打席連続ヒットなし。8月の月間成績は、42打数2安打23三振の打率4分8厘、球団ワースト記録を更新する27試合連続三振中と、惨たんたる成績で、復調を期待して起用し続けた野村謙二郎監督も、いよいよ降格を決断せざるをえなかった。

 主砲の不在で打力弱体化の危機か、と思われたのだが……。ところがどっこい、主砲抹消後のチームは3勝1敗。打線が好調で、19日のDeNA戦(横浜)で11安打8得点、04年以来となる7試合連続2ケタ安打を達成した。7月4日のヤクルト戦(マツダ)以来、12カードぶりにカード初戦に勝利し、6連勝とした6月27日のDeNA戦(横浜)以来の、後半戦初の3連勝とした。

 この危機を救っているのは、エルドレッドに代わって1軍に昇格し、4番に座るライネル・ロサリオ(25)だ。19日は初回に先制の適時打、5回にも左翼線への適時二塁打を放ち、猛打賞となる3安打2打点で勝利の立役者となった。

「自分の仕事をするだけ。打点をあげられているし、それでチームが勝てればいい」

 昇格後4試合で16打数8安打1本塁打の打率5割。4戦中3戦で打点をあげ、4打点。鯉のポイントゲッターとして機能している。

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