岩隈久志は無名のエース!? 「岩隈への過小評価はもはや犯罪に近いレベル」
「コントロールは歴史的なレベル」
19日(日本時間20日)のフィリーズ戦で12勝目(6敗)を挙げたマリナーズ岩隈久志投手(33)が地元メディアから称賛されている。
マリナーズは今季サイ・ヤング賞最有力候補のフェリックス・ヘルナンデス投手が絶対エースとして君臨。現在13勝4敗、防御率1・99で、16試合連続ハイ・クオリティースタート(7回以上を投げて自責2以内)というメジャー記録も打ち立てた。
ESPNは12勝目をマークした岩隈をこのヘルナンデスと共に「2人目の真のエース」と報じ、2012年のメジャーデビュー以降、好成績を収めているにもかかわらず、いまだ無名であることを指摘。「ダルビッシュ有と同じオフシーズンに日本から渡米して、キング・フェリックスと一緒のローテーションで投げていれば、見過ごされることはあるだろう。しかし岩隈が受けている過小評価と言ったら、もはや犯罪に近いレベルだ」と伝えている。
フィリーズ戦の岩隈は8回を投げて、今季最多の11奪三振で無失点と圧巻の投球を見せた。だが、現地メディアを最も驚愕させているのは四球の少なさだ。
今季岩隈は21試合に登板。147イニングを投げて、四球はわずか12個。9イニングあたりの与四球を示すBB/9は0・73とメジャートップだ。記事では「彼のコントロールは歴史的なレベル」と伝え、1シーズンを通じてこの数字を下回ったア・リーグの投手はカルロス・シルバ(2005年に0・43)とサイ・ヤング(1904年に0・69)しかいないとしている。
今季は右中指の負傷で出遅れながら徐々に調子を上げ、プレーオフ進出を争うチームに貢献。7月以降の10登板では7勝2敗、8月だけを見れば、4試合でわずか2失点しか喫しておらず、防御率は0・61だ。
ヘルナンデスとともにチームを牽引する岩隈は現在防御率は2・57。メジャー通算でも2・76の好成績。「最も無名なエース」とされた岩隈だが、その圧巻の投球を見れば、リーグを代表するエースといっても過言ではない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count