ライバル離脱でイチローに定位置奪回のチャンス!? 40歳のスピードはプレーオフ進出への糸口になるか?

今季11個目の盗塁を決める

 先頭打者としてセンターへのヒットを放ち、今季11個目の盗塁などで3塁まで進塁。ジャコビー・エルズベリーが2死から意外性溢れるセーフティーバントを試みると、イチローは瞬時に反応してスタートを切り、快足を飛ばしてホームイン。素早い状況判断による好走塁で得点し、一時、チームにリードをもたらした。ESPNも速報で「ブロンクス・バンターズ」と小見出しで報じている。ヤンキースの別称は「ブロンクス・ボンバーズ」。ボンバーという長打力ではなく、1点をもぎとった機動力の高さを「バンターズ」と表現している。

 一方、内野が本職ながら、チームがライトの一番手としてトレード期限直前でダイヤモンドバックスから獲得したマーティン・プラドは、この日はセカンドで先発して4打数ノーヒット。加入後の打率を2割2分4厘と下げた。ヤンキースは格下のアストロズ相手にまさかの2連敗となり、ワイルドカード争いで出場圏内の2位タイガースとのゲーム差は5まで開いてしまった。

「何とかして2点以上取るやり方を見つけなければいけない。実際、他に言えることがあるか?」

 ジラルディ監督は試合後にこうぼやいたという。関節痛や軟骨の異常に効果を持つとされるコルチゾン注射を受けたベルトランは、21日(日本時間22日)のアストロズ戦欠場も確定。コルチゾン注射は今年3度目で、シーズン後に手術を受ける可能性もある。

 ベルトラン、ブライアン・マッキャン捕手という強打者を開幕前に補強したが、ヤンキースの今季得点数はア・リーグ15球団中14位。シーズン終盤戦にきて致命的な貧打を一昼夜に解消することは困難な状況なだけに、今季打率2割8分まで再上昇したイチローが見せたスピードこそが、奇跡のプレーオフ進出に向けた糸口となるかもしれない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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