ヤンキースが9月に先発ローテ6人制を導入か 田中将大らの負担軽減策を検討
ヤンキース投手コーチが地元紙に語る
ヤンキースが9月に先発ローテーションを5人制から6人制に拡大することを検討していることが分かった。米ニューヨークポスト紙が報じている。
同紙はラリー・ロスチャイルド投手コーチが9月から6人ローテ制を導入することを検討し、さらには来季も同制度を採用する可能性があることを明かしたとしている。ロスチャイルド投手コーチはそのためには先発投手を揃える必要があることも言及したという。
6人ローテ制の意図はもちろん、投手の負担の軽減にある。メジャーリーグでは肘の靭帯を痛める投手が続出。今季は20人以上が肘の靭帯再建手術(トミー・ジョン手術)を受けた。今季ヤンキースに加入した田中将大投手も前半戦でメジャー最多の12勝を挙げながら、肘の痛みを訴え、右肘靭帯の部分断裂が判明。田中の場合はチームドクターらから手術の必要なしと診断され、保存療法で順調な回復を見せているが、手術の危険性は常に付きまとっている。
また、ヤンキースはすでにイバン・ノバ投手がトミー・ジョン手術を実施し今季絶望に。肘の故障が頻出する状況を重く見たロスチャイルド投手コーチは「様々な代案に目を向けなければならなくなるだろう」と話しているという。
同紙も9月からアクティブ・ロースターが40人に拡大されることと同月にヤンキースが20日間で21試合を戦わなければいけないことに触れた上で、「彼らはこの期間中に田中がローテーションに戻ってくることを期待している。彼(田中)の先行き不透明な肘や、ピネダの問題を抱えた肩、そして黒田博樹の年齢は追加の休養の試験的導入に十分な理由となる」と報じている。
先発ローテーションを中4日の5人制から6人制へと移行する案はこれまでも話題を呼んできた。ダルビッシュ有投手が田中が戦列を離脱した後のオールスター前日会見で中4日の登板間隔について短いとし、中6日あれば肘の炎症が取れると発言。メジャーでも先発枠を1人増やして6人とし、最低でも中5日が必要と提言した。そしてダルビッシュ自身、その後に右肘の炎症で故障者リスト入り。幸いにも靭帯の異常は見られなかったが、負担がかかる状況で投げ続ければ、いつか大きな故障につながる可能性もある。
同紙はブライアン・キャッシュマンGMが球団として6人ローテ制にまだ着手していないとしていると報じつつ、ロスチャイルド投手コーチがこの構想について意欲的であることを伝えている。少しでも先発投手の負担が減る体制となれば、渡米後1年目で肘を負傷した田中らにとっても大きな後押しとなるだけに、今後の動向が注目される。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count