今や「リーグを代表する先発の1人」の評価を受ける岩隈久志 1年7億円は“バーゲン価格”?
「好不調の波が少ない点ではダルビッシュ以上」の声も
マリナーズ岩隈久志が19日のフィリーズ戦で今季12勝目を飾った。8回を投げて4安打11奪三振無失点。さらに、今季12度目の無四球をマークし、わずか96球で締めくくる効率のよさを見せつけた。
今季はキャンプイン前に右中指を痛め、開幕から1カ月ほど出遅れることになったが、戦列復帰した5月3日からの活躍ぶりは、その遅れを取り戻すに余りあるものと言って過言はない。今季21試合目の登板を終えて12勝6敗、防御率2・57。1イニングあたりの安打数+与四球数を示すWHIPは0・95で、走者を1人背負うか背負わないかのうちに3アウトを奪ってしまう計算だ。
ちなみに、今季の与四球数はたった12。20試合以上先発した投手の中ではメジャー最少数となっている。1試合(=9イニング)の四球数0・73は、1998年にジェイミー・モイヤーが樹立した球団記録(1・61)を追い抜くペースだ。
現在の無失点イニング数は17回2/3(今季はすでに25回を記録済み)、ナ・リーグ本拠地では失点したことがない(22回無失点)など、登板を重ねるたびに数々の記録が生まれる。また種々に細分化されたセイバーメトリクスの数字は、どれを取り上げてみてもメジャー十指、もしくはリーグ十指に入らんばかり。
今季はマリナーズ不動のエース、フェリックス・ヘルナンデスが絶好調で早くも2度目のサイ・ヤング賞獲得が噂されるだけに、岩隈の存在が霞んで見えがちだが、ネット裏に陣取る各球団のスコアラーたちは「岩隈はリーグを代表する先発の1人」を異口同音に話し、中には「好不調の波が少ない点ではダルビッシュ以上」と絶賛する声も聞かれる。
そんな中、最近米メディアからこんな声が聞こえてくるようになった。
「岩隈に関して、マリナーズはとても賢い買い物をした」