ダルビッシュが提言した「先発ローテーション拡大案」をメジャー球団が検討開始

ヤンキースも田中将大の復帰で9月にローテ6人制の導入を検討

 レンジャーズのダルビッシュ有投手が今夏のオールスター前日会見で披露した先発ローテーション拡大案を検討し始めるチームが出てきた。

 MLBの投手陣に蔓延する肘の靱帯損傷とトミー・ジョン手術による長期離脱という危機的状況を解決するための方策として、ダルビッシュはメジャーで先発投手の枠を現在の5人から1人増やすことを提案していたが、ESPN電子版は23日に「タナカが6人ローテーションで復活の可能性」との見出しで報じている。

 ラリー・ロスチャイルド投手コーチによると、田中復帰が間近に迫る中、ヤンキースは9月のある段階で先発ローテーションの6人制を導入することを検討しているという。そして、それを2015年シーズンも継続する可能性があるとしている。

「我々はすべての方策を検討するだろう。だからといって、その方策を選ぶとは限らないが」

 ロスチャイルド氏は慎重な口ぶりながらも、こう認めている。田中のためだけではなく、メジャーで投手の肘の問題が伝染病のように拡大していることから、全投手のために検討をしているという。

 田中はこの日、本拠地ヤンキースタジアムでゼラス・ウィーラーとブレンダン・ライアン相手に打撃練習に登板し、35球を投げた。7月8日のインディアンス後に右肘痛を訴えて右肘靭帯部分断裂が判明して以来、初となる打者相手の投球だった。田中は伝家の宝刀のスプリットなど慎重に6つの球種を投げ、実戦と状況を重ねるためにピッチングの最初と最後はベンチに座った。チームは公表を避けているが、次のステップはおそらくシミュレイティッド・ゲームになると見られている。

「彼が違和感を感じないことが、一番重要なことだ」

 終了後の記者会見で、ジョー・ジラルディ監督はそう話し、確かな手応えを示した。このまま田中が順調にメジャー復帰を果たした場合、チームは9月9日から始まる20日間で21連戦という地獄のような日程を乗り切るために、新たなシステムを導入する可能性が高そうだ。

「我々は20日間で21試合を予定しているため、ある時点で先発投手6人を投入することになる。ベースボールの世界も選手の健康を守るために違う方策を模索する時期にきていると私も思う。もしも、(6人ローテが)健康維持のために一環としてレーダーに映っているのなら、それを検討することになる」

 ロスチャルド投手コーチはそう語っている。

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