ダルビッシュが提言した「先発ローテーション拡大案」をメジャー球団が検討開始
ローテ6人制実現には課題もある
記事では、ヤンキースにとってローテ6人制が来季も効果的な策となることを指摘している。今季絶望となっているCC・サバシア投手は膝の手術から復帰予定だが、春季キャンプでのコンディションは不透明。トミー・ジョン手術を受けたイバン・ノバはシーズン開幕には間に合わない。黒田博樹、ブランドン・マッカーシー両投手は今季限りで契約満了を迎える。また田中に関しても常にトミー・ジョン手術の可能性がつきまとうために疑問符を付けざるを得ないとしている。
ただ、ローテ6人制には短所も存在する。ロスチャイルド投手コーチは「ブルペンを削らなければいけない。実行するためには取り組まなければいけない課題もある。ピッチャーによっては中4日がいいという選手もいる。CCが全盛期には、中4日で投げることを好んでいた。それで伸びていったということもある」と話したという。また、「これは1人、2人のためではない。5人か6人のため」として、田中を守るためだけでなく、あくまで先発ローテーション全体の防御策であることを強調している。
一方、同じニューヨークを本拠地とするメッツのテリー・コリンズ監督も先発6人枠導入に前向きな姿勢を示している。
メッツでは、今季のナ・リーグの新人王候補、ジェイコブ・デグロム投手が右肩の炎症で故障者リスト入り。「ここまで長いイニングを投げたことがなかった。9月を投げきることが大事」と意気込むデグロムは、この日のドジャース戦で復帰。6回5失点で敗戦投手となったが、今季6勝6敗で防御率は3・13。低迷するメッツの光明となっている。
「彼は我々の投手陣でものすごく大きな存在。ここまでの仕事ぶりから新人王の候補になる」と地元メディアに語ったコリンズ監督は、ロースターが25人から40人に拡大する9月に6人ローテを編成する予定だという。「もしも、先発投手をもう1人昇格させれば、6人ローテになる。悪いことは何もない。(故障で)ピッチャーの登板日を飛ばしたり、(DL入りで)投げさせない事態を考えれば、中4日より中5日でいい」と認めているという。
肘の故障者が続出している今、メジャーは大きな転換期を迎えているのかもしれない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count