イチローの果敢なチャレンジをジーターも称える 「信じられないキャッチになるところだった」
最後まで諦めないイチローの執念
ヤンキースのイチロー外野手が28日(日本時間29日)のタイガース戦で見せた果敢なチャレンジがデレク・ジーター主将から称えられている。地元紙ニューヨーク・ポストが報じている。
8回に代打で登場したイチローはその後、ライトに守備へ。2-2で迎えた9回裏2アウト1、2塁のピンチで、リリーフのショーン・ケリー投手がタイガースのアレックス・アビラにホームラン性の当たりを許した。右中間への大飛球に誰もが諦めかけた瞬間、不惑のスピードスターが快足を飛ばした。「イチローが戻る! 追いかける!」。地元テレビの中継で実況が絶叫する中、打球を猛追した。しかし、フェンスに身体を強打してまで捕球を試みたが、打球はフェンスを直撃。無情にも決勝打となってしまった。
「彼が打った時は、ホームランだと思った。風が強くて多くの当たりを押し返していたし、(イチローが)ほとんど届くところまで戻ってきた。長い距離を走ったし、信じられないキャッチになるところだった」
主将のジーターはイチローの執念をこう称えた。ワイルドカード争いでゲーム差3をつけられているタイガースとの直接対決にどうしても勝ちたいというイチローの気持ちが、ラストプレーに表れた。
「打球は頭上を超えて、フェンスに当たった。間違いなく一か八かのプレーだった。ボールの落下点を予想してそこに走った」
イチローは通訳を介して地元メディアに、スーパーキャッチ寸前だったプレーをこう振り返っている。
惜敗の中でも最後のワンプレーでライバルチームの肝を冷やしたイチローの執念がヤンキースの逆転プレーオフ進出の呼び水となることを期待したい。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count