楽天ドラ6新人・横山が“打たれて”史上初の快挙 プロ初登板1球勝利はなぜ実現?
被災した故郷に明るい話題を届けた横山
「1球勝利」は金田のケースのように同点の場面の1アウト(または2アウト)から登板し、1球でチェンジとして、味方が勝ち越すこともあれば、横山や土田のように、味方の逆転によって実現することもある。
投手の勝利というものは自分の実力のほかにも、打線との巡り合わせや相手投手など、時の運も左右する。星野監督も「打たれたのに(1球で)勝った。なんか持っているんだろうな」と話したほど。この1勝を大事にし、横山には勝利の階段をどんどん歩んでいってもらいたい。
プロ初勝利を1球で達成したのはセ・リーグでは今年の巨人・土田や2003年の広島・林昌樹、パ・リーグでは2001年ロッテ・山崎貴弘、西武・後藤光貴、2007年ソフトバンク・二コースキーがいる。
横山は福島・聖光学園から早大に進んだ。福島県浪江町出身の投手。高校時代には3度甲子園に出場。斎藤監督からの信頼も厚かった。東日本大震災では町民が全員避難するなどし、両親も現在は伊達市に住んでいる。どんな形でもプロ1勝という野球で明るい話題を届けることができた。本人も「頑張りたいです」と町の思いを背負って投げることを誓っていた。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count