ついに3位に転落 阪神が逆転Vを成し得るには何が必要か
追いつき、追い越すためにはリスクを背負うことも重要
「3位の位置から優勝を勝ち取るためには、接戦を1つでも多くものにしていかなければ厳しいです。残り30試合を切ったこのタイミングでは、特にその意味合いが強くなってきます。少しでも接戦を取っていくためには、ビハインドの時点でも良い投手を起用していかなければなりませんし、“負けているから使わない”というタイミングではなくなってきています。
呉昇桓は先日の巨人戦で打たれましたが、逆に言えば阪神には彼しか抑え投手はいないわけです。呉昇桓で負けたら仕方ない、と納得できますし、いかに彼へ繋ぐのか、いかに彼の登板回数を増やすことができるのかを考えなければなりません」
また一方で、先発投手陣は能見篤史、メッセンジャー、岩田稔、藤浪晋太郎と4枚看板が揃っている。能見が7勝11敗と負け越しているのは誤算だが、ある程度計算の立つ先発が4枚いるのはチームとしては大きい。そこを踏まえて、飯田氏は続ける。
「先発が4枚計算できますし、7回以降は福原、安藤、呉の3人で行ける。どれだけ勝ち試合を作っていけるかを考えると、能見、メッセンジャー、岩田、藤浪は絶対に6回までは投げてもらわなければ困りますし、先発が谷間となる試合は、早い回から福原や安藤を投げさせ、呉が2イニング行ってもいいと思います。阪神は追い掛ける立場ですから、ある程度リスクを背負って勝負していかないと、追いつき、追い越すことはできません」
今季の阪神は、シーズンを通してAクラスに位置し、首位巨人がそれほど勝ち星を伸ばせていないこともあって、終盤戦に入っても十分に優勝を狙える位置に付けている。2005年以来のセ・リーグ制覇を果たすためには、積極的な投手起用が必要になりそうだ。
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飯田哲也プロフィール
スポーツコメンテーター。1968年東京都出身。1987年に捕手としてヤクルトスワローズに入団、主に外野手としてヤクルトの1番バッターを長く務めた。2005年からは2年間楽天イーグルスに在籍。2006年に現役を引退すると、古巣ヤクルトで2013年まで守備・走塁コーチを務めた。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count