超一流同士だから分かり合えること イチローが錦織の快挙に「気持ちいい」

マルチ安打も「今日は俺なんかどうでもいい」

 6日(日本時間7日)のロイヤルズ戦で2安打1打点と活躍したイチローが同日に同じニューヨークで行われたテニスの全米オープン準決勝で決勝進出を果たした錦織圭を称えた。

 世界ランク1位のジョコビッチを破って日本人選手で初めて4大大会の決勝進出を果たした錦織に対して、イチローは「(テレビで)試合を見た。今日は俺のことなんかどうでもいい。すごいね。すごいという表現はちょっとダサいけど気持ちいい。相手を圧倒していた。すごい」と興奮気味に話した。

 イチローはこの日先発を外れたものの、4点リードの5回2死1、2塁の場面で代打で登場し、センター前に中前適時打。8回には2塁への内野安打を放った。

 8月25日のロイヤルズ戦以来、今季21度目となるマルチ安打でヤンキースの6-2勝利に貢献したイチローだが、この日は錦織を称えるコメントが並んだ。

 錦織は日本人としては前身の全米選手権を含めて1918年大会4強の熊谷一弥以来、96年ぶりにベスト4に進出。そしてこの日は日本人初となる扉を開いた。イチロー自身、メジャーに渡り、シーズン最多安打記録を更新する262安打を放つなど、長らく塗り替えられなかった記録を打ち破ってきた。だからこそ、その価値が人一倍、理解できるのかもしれない。

 弓子夫人が同じ島根県松江市出身ということもあり、「それでちょっと僕にとっては特別な思いがある」と話したイチローは「(日本人初の四大大会決勝進出は)明らかに前に進んでいる証しを刻んでいる。錦織選手がこういう結果を出していなかったら、96年前の人だって遠すぎて(知られていなかった)。それはやっぱり気持ちいいこと」と続けた。

 超一流同士だからこそ分かり合えること。「気持ちいい」の言葉には計り知れない重みがあった。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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