黒田博樹がまさかの今季最短KOでヤンキースは地区3位に転落 指揮官は「全部の試合に勝つしかない」
黒田「チームの力になれなくて悔しい」
ヤンキースの黒田博樹投手が9日(日本時間10日)、本拠地でのレイズ戦に先発し、今季最短の3回1/3でKOされた。前回登板で日本人初の5年連続2桁勝利を挙げたがこの日は9安打4失点1本塁打と大乱調。9敗目(10勝)を喫した。奇跡の逆転プレーオフ進出を目指すチームも3-4で競り負け、「この時期にチームの力になれなくて悔しい。それが一番」と肩を落とした。
初回は3者三振と最高の立ち上がり。しかし、2回の先頭ロニーに内角高めへの速球を右翼席へと運ばれ、先制を許した。「トリッキーな打撃をしてくる。フォーシームでファウルにさせようかなというボール球を完璧に打たれた。痛かった」と痛恨の被弾を振り返る。
以降、失点を重ねた黒田は「1回にいい形で滑り出したが、向こうのアプローチも2回以降アグレッシブに早いカウントからこられてリズムが狂った」。また、「向かい風だったのでスプリットなどが有効だったかなと思っていた。早打ちでアグレッシブにこられたので策を練る前に全部やられてしまった」とも語った。
試合前まで日米通算3000投球回に5回2/3と迫っていたが、まさかの最短KO。自身、状態の悪さを感じていたようで、「あまり良くなかった。すべての部分で真ん中にボールが集まっていた」と話す。
ヤンキースにとっては20日間で21連戦を戦う過酷な日程の初戦だった。後半戦に入り安定感が増してきた黒田の登板でその重要な一戦を勝ちにいったが、痛恨の敗戦。ジラルディ監督は「黒田は速球の制球が今ひとつだった。スプリットもいつものような切れがなかった」と語り、ア・リーグ東地区3位転落に「全部の試合に勝つしかない」と悲壮感を漂わせた。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count