ナ・リーグMVP候補を襲った悲劇 相手投手が投じたボールが顔面を直撃し救急車で搬送

マーリンズのスタントンが「口からおびただしい出血」

 今季MVP候補に挙げられているマーリンズのジャンカルロ・スタントン外野手が11日(日本時間12日)のブリュワーズ戦の5回に相手投手が投じたボールが顔面を直撃して昏倒。救急車で病院に搬送されるアクシデントが起きた。MLB公式サイトが特集している。

 2-4でマーリンズが敗れた一戦で悲劇が起きた。5回、マイク・ファイアーズ投手の投じた88マイル(約141キロ)のファストボールはスタントンの左目の下を直撃。そのまま、フィールドに倒れ込んだ。流血しながら動けないスラッガーに、両軍ダグアウトからトレーナーが飛び出した。ストレッチャーに乗せられたスタントンはそのまま救急車で病院に緊急搬送されたという。

 チームは試合後にスタントンが裂傷を負い、レントゲンとCTスキャンでの精密検査を受けていることを明らかにした。

「彼は口からおびただしい出血があった」とマーリンズのマイク・レドモンド監督は語ったという。全治などは発表されていない。

同僚は「今まで一番辛い光景の一つ」

 想定外のアクシデントとなったスタントンはドジャースのクレイトン・カーショー投手と並び、ナ・リーグのMVP候補に挙げられるほど、今季は活躍している。打率2割8分8厘とリーグ19位だが、37本塁打は2位のアンソニー・リゾ(カブス)と7本差をつけてリーグトップ。105打点や94四球、OPSもリーグ1位とここまで圧倒的な成績を残している。

 チームメイトのクリスチャン・イエリッチ外野手はツイッターで「今まで一番辛い光景の一つだった。ビッグG(スタントンの愛称)の無事と完治を心より祈ります」とメッセージ。ブルージェイズのホセ・レイエス遊撃手も「ジャンカルロと家族が心配です。君の一刻も早い復帰を祈ります。良くなって下さい」とツイートしている。

 圧巻のピッチングを続けるカーショーらとのMVP争いはナ・リーグの注目の1つだっただけに、スタントンのアクシデントは球界全体に衝撃を与えている。

 一方、スタントンの顔面を襲った一球について、主審がスイングと判断。2ストライクの場面でリード・ジョンソンが代打で登場したが、ファイアーズの投じた初球も手に当たり、両軍がフィールドに飛び出す騒ぎとなった。これにより、レドモンド監督とケーシー・マギー三塁手が退場処分を受けている。

 6回にはマーリンズのアンソニー・デスクラファニ投手がカルロス・ゴメスの左肘への死球を与え、デスカラファニとベンチコーチのロブ・レビー氏も退場処分となるなど大荒れの展開となった。試合はマーリンズが2-4で敗れている。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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