今季限りで引退のジーターは有終の美を飾れるのか 22打席連続無安打で8月以降の打率が1割台に
ジーターもヤンキースも低調な出来のまま“終わり”が近づく
今季限りでの引退を表明しているヤンキースのデレク・ジーター内野手(40)がここにきて極度の不振に苦しんでいる。7日(日本時間8日)のロイヤルズ戦での内野安打を最後にヒットがなく、13日のオリオールズ戦終了時点で22打席連続無安打。8月以降の打率に限れば.197と2割を下回っている。
レジェンドの不調と同様、ヤンキースもプレーオフ進出が困難な状況に陥っている。昨季に続き2年連続でプレーオフを逃せば、名門にとって20年ぶりの屈辱だ。シーズン序盤当初からジーターのラストシーズンとしてヤンキースの遠征先では最高の盛り上がりを見せてきたが、本人もチームも思うような成績を残せていない。
これまでメジャーリーグを代表してきたスーパースターの引退直前での不振を、米メディアも注視している。
ESPNは「スランプ」という小見出しでジーターの20打数連続無安打を報道。また、地元紙ニューヨーク・ポスト電子版は「なんとかゴールラインへと足を運ぶジーター」と題してジーターの20打数無安打を取り上げ、「大幅下落によって8月以来最も非生産的なMLB打者の一人になった」と報じている。
それでも何かを期待させるジーター
13日に対戦したオリオールズのショーウォルター監督は、奇しくもジーターのデビュー当時にヤンキースの監督だった人物だ。かつての指導者はポスト紙に対し、ここのところ振るわないジーターをかばうコメントを寄せている。
「全てをやりきっているから、平穏な状態だと思うよ。試合や同僚、球団を裏切ってもいない。彼は自分の仕事をこなしているし、振り返って思い悩む必要もない」
ショーウォルター氏はまた「彼はいつも場の要求に応えられる人間だから、軽視するつもりはないよ」とも言い、ジーターが最後にドラマティックな何かをする力があるとの見方をしている。
ここぞという所での勝負強さで観客を湧かせてきたジーターだけに、引退前に最後の一花を咲かせることを皆が期待している。最後にどんなドラマが待っているのか。有終の美を飾るため、ジーターは明日も残り少ない打席へと向かう。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count