球団史上ワースト2位の借金地獄に苦しむ西武で熾烈な本塁打王争いが勃発 中村の「歴代3位タイ」かメヒアの「史上2度目」か

中村とメヒアのホームラン王争いから目が離せない

 この試合でホームランを放った西武の中村剛也は、序盤怪我で出遅れたものの、今季99試合に出場し31本のハイペースでホームランを量産。同僚で途中加入のメヒアは89試合で31本と、それを上回るハイペースでホームランを放っている。

 中村は過去4度(2008年、2009年、2011年、2012年)ホームラン王に輝いており、今年ホームラン王になれば通算5度目となる。過去通算5度のホームラン王を獲得しているのは、青田昇、中西太、落合博満の3人だけで、歴代3位タイの記録となる(1位は王貞治の15回、2位は野村克也の9回)。

 西武は今季借金が16で、これは西武球団創設以降2番目に悪い数字だ。1979年に所沢へ移転し、新生・西武ライオンズに生まれ変わった西武は、初年度こそ45勝73敗、借金28と苦しい船出となったものの、翌年から2013年までの34シーズンで借金生活に終わったのは僅か4シーズン。一番借金が多かったのは伊東勤監督時代、2007年の借金10だ。

 そんな強豪チームは今季、開幕から非常に厳しい戦いを強いられているが、オリックスのペーニャも含めた中村とメヒアのホームラン王争いは、未だ接戦が続いている。特に中村が通算5度目のキングを手にすれば、突出した長距離砲の証しとして、偉大な記録となるのは間違いない。

 また、メヒアの打席数は現在378で、西武の残り試合数を考えると規定打席到達は微妙なラインとなっている。仮にメヒアが規定打席未到達でホームラン王を獲得すると、2012年のバレンティン以来史上2度目の記録となる。

 過去の規定打席未満での最多本塁打数は、1988年のブライアントが記録した34本(74試合・302打席)と2003年にペタジーニが記録した34本(100試合・414打席)。2012年のバレンティンは31本(106試合・422打席)だ。

 ブライアントが突出した数字を残しているが、今季のメヒアも強烈なペースでホームランを量産しているのも明らかだ。終戦ムードが漂うチームではあるものの、中村とメヒアのタイトル争いからは、まだまだ目が離せない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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