冴えた原監督の勝負勘 勝負に徹した3度の代打策
接戦を制することができる巨人
6回には矢野が一時は同点となるタイムリー2塁打をレフトへ。そして8回の大田の豪快なホームラン。代打策がすべてはまり、序盤の4点を跳ね返し、勝利したのだった。
監督の信念として、動かずに失敗するならば、動いて失敗した方がいいという思いがあるのだろう。攻撃的な姿勢を貫いた父・貢氏の野球観にはそれがあった。
一方で監督の期待に応えることのできる選手の高い能力も忘れてはいけない。アンダーソン、矢野、そして大田の集中力も高かった。もともと接戦の展開になってしまったのは、監督が決めたスタメン、先発に送り出した澤村の不調のピッチングが原因だったといえばそれまでだが、初回の4点のビハインドを跳ね返すための戦い方を原監督は知っていたのである。
ずば抜けた成績を残した選手は今年はいない。しかし、ただでは転ばないチーム力の強さが首位を走る巨人の強さなのかもしれない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count