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サヨナラ打の価値はそれぞれ違う? 数字が示すヒーローたちの貢献度

楽天、西武のサヨナラで光った森山、栗山のアシスト

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9月20日、サヨナラの場面での選手の貢献 勝利確率の変動から

 こうした見方で、9月20日に生まれた3つのサヨナラの場面を眺めてみる。図表を参照してほしい。

 楽天は2死から試合を決めた島内の貢献も大きいが、なんといっても森山だ。出塁と二度の盗塁で勝利確率を28.8%も高めており、三盗に成功し無死一、三塁にした時点で楽天の勝利確率は91.8%まで上昇していた。

 西武も、同じように無死の状態で三塁に走者を進めた栗山のヒットが効いていた。9回裏の「無死一、三塁」と「無死二、三塁」は勝利確率がほとんど変わらないため、盗塁による上積みはわずかだったが、サヨナラ打を放った脇谷を上回る勝利確率上昇に成功している。

 ロッテは1点差を跳ね返してのサヨナラ勝ちだった。1死満塁で同点タイムリーを打った今江は、もし本塁に突入しアウトになった二塁走者まで返すことに成功していれば、岡田が稼いだ貢献を全部自分のものにして50.5%という数値になっていた。走者が三塁で止まり1死満塁という状況を維持していても数値は31.8%まで伸びていたはずで、今江の数値は自らが関与できない部分で下がっている。1死満塁の状況をつくった福浦和也の四球の貢献が、17.1%上昇と大きかったのも興味深い。

 このような数値を持ち出さなくても、試合を見ていれば森山や栗山がサヨナラ勝ちをアシストしていたことはわかるかとは思う。ただ、今回はサヨナラの場面をピックアップしているが、実際には貢献は試合を通じて積み重ねられている。印象に残りにくい試合序盤の貢献なども含めて、試合をフラットに評価したいときなどには、こうした数値が力を発揮するだろう。

【了】

DELTA・蛭川皓平・秋山健一郎●文  text by DELTA HIRUKAWA, K. AKIYAMA, K.

DELTA プロフィール

DELTA  http://www.deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える セイバーメトリクス・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『Delta’s Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。最新刊『セイバーメトリクス・リポート3』が4月5日に発売。

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