田中将大がメジャー復帰登板に手応え 「しっかり投げられた。そこが一番だと思う」
「復帰登板でしっかりと貢献できたことは良かった」
右肘靱帯部分断裂で故障者リスト(DL)入りしていたヤンキースの田中将大投手が21日(日本時間22日)、本拠地でのブルージェイズ戦でメジャー復帰を果たした。
75日ぶりのメジャーのマウンドで、5回1/3を5安打1失点4奪三振無四球と好投し、7月3日のツインズ以来となる13勝目(4敗)。すべての球種を使い、肘に負担がかかるとされているスプリットも投げた。70球を投げてストライクは48球とコントロールの良さも負傷前と変わらず。防御率は2・47となった。
試合後の記者会見で、田中は「しっかり今日投げられた。そこが一番だと思う」と振り返った。7月8日のインディアンス戦後に右肘靭帯の部分断裂が判明。肘の靭帯を再建するトミージョン手術の選択肢もあったが、チームドクターは保存療法で今季中の復帰を目指す方針を打ち出した。リハビリの過程で違和感や痛みが再発すれば、手術を行う可能性もあっただけに、本人もチームも慎重に治療を進め、段階を踏んで復帰登板にまでたどり着いた。
肘の状態は痛みを訴えた7月8日当時と比べ、「今日の方がもちろんですけど、全然いいですね」。80日ぶりのメジャー白星には「選手にとって嬉しいこと。それがこの復帰登板でしっかりと貢献できたことは良かった」と素直に喜んだ。無事復帰戦を終えたことについても、「まずはホッとしている。オフシーズンのトレーニングですけれど、問題なくやりたいことがやれるのではないかと思っている」と安堵の表情を浮かべている。
1つずつの球種を慎重に投じ、痛みが出ず、相手打者を抑えることができた。それはこの上ない自信となったはずだ。
周囲にはいまだ手術のリスクを指摘する声はある。この日の登板を受けて肘に何らかの異変が生じれば、リハビリの方針を転換せざるを得ないかもしれない。だが、恐れていては前には進めない。復帰登板までの約2か月半の間、一段ずつ階段を上がってきた田中。慎重に、しかし貪欲にメジャーの舞台を目指してきた右腕は今、確かな手応えをつかんでいる。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count