ヤンキース守護神の3失点直後にジーターがサヨナラ打 地元紙は「史上最高のセーブ失敗」
劇的勝利も、好投の黒田は勝ち星を逃す
ヤンキースの抑えのデビッド・ロバートソン投手が25日(現地時間26日)のオリオールズ戦で、3点リードで迎えた9回に打ち込まれ同点に追いつかれたことについて、地元紙ニューヨーク・ポストが「史上最高のセーブ失敗」と報じている。
ロバートソンは、今季限りで現役を引退するデレク・ジーター内野手のヤンキースタジアムでの最終戦に意欲を見せ、試合前に「ゲームを締めくくるチャンスができたらいいね」と語っていたという。
試合は先発の黒田博樹投手が8回2失点と好投。後を託されたロバートソンは試合前に希望していた通り、去りゆく英雄の本拠地最終戦で最高の舞台を得た。しかし、アダム・ジョーンズに2ランホームランを許し、さらにスティーブ・ピアースにも被弾。まさかの3失点を喫した。ダグアウトの黒田も絶対に落とせないメモリアルゲームでの守護神の乱調を呆然と見つめていた。
だが、このロバートソンの崩壊劇が、誰もが予想だにしなかった9回裏の劇的なエンディングの呼び水となった。1死2塁の場面で打席に立ったのはこの日の主役、ジーター。そして今後も語り継がれるであろう、伝説のサヨナラヒットが生まれた。
「人生最悪の時から最高の瞬間に変わったよ。僕がまた1つデレク・ジーターの瞬間を作り出したんだね。正直作りたくはなかったけれど、実現して良かった」
ロバートソンはジーターのヤンキースタジアムでのキャリア最後となるサヨナラヒットに感動しきりの様子だったという。
記事では試合後、ロバートソンがジーターに「僕の尻拭いをしてくれてありがとう」と声をかけ、「ノー・プロブレム」と即答されたエピソードも紹介されている。
「彼はまったくもって僕に感謝していなかったよ」
3失点で一時同点とされながら、力投の黒田の代わりに勝ち星を手にしたロバートソンはこうも語っていたという。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count