大谷翔平だけじゃない 「勝てる男」へ完全覚醒、日本ハム・中村勝がCSでもキーマンの1人

「プレッシャーが掛かった方が、いい感じに気合いが入る」

 日本ハムは9月29日、CS進出を決めた。いよいよポストシーズンへ。同日現在、パ・リーグの優勝争いは最終鏡面へと突入している。再び、中村の名を世に知らしめる時がやってきた。

 2012年。巨人との日本シリーズ。1勝2敗で迎えた第4戦に中村が先発。大抜擢だった。そして、その右腕で野球ファンのド肝を抜いた。

 淡々とポーカーフェースで投げ続け、7回までスコアボードに「0」を刻んだ。その後、日本ハムは4人の投手をマウンドにつぎ込み、無失点リレーを敢行。最後は延長12回の末にサヨナラ勝ちを収めた。スターターとして最初に流れを呼び込んだ中村が一躍、主役の座に躍り出た瞬間だった。

 今回はCS。だが、再び訪れた短期決戦。チーム2年ぶりのポストシーズンだ。

「日本シリーズで1回しか投げていないので分からないです。でもプレッシャーが掛かった方が、いい感じに気合いが入ります」

 シャイな中村は言った。

 日本ハムは大谷を筆頭に、投手陣の駒がそろっている。まだ、どこで投げるかは分からない。ただ、今回訪れるであろう登板機会は決して抜擢ではない。勝ち星を計算できる1人としてマウンドに送り込まれる。ここで勝ってこそ、「本物」を証明できる。 

【了】

J・T●文 text by J・T

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