苦難のメジャー14年目にも超プラス思考 「マイナスが思い浮かばない」イチローの強さと自信
内に秘める確固たる自信「今日から162試合やれと言われても、僕にはできる」
「去年の最後は半信半疑で何とかいい形になっていたかなぁと思っていたんだけど、今年は最後まできっちりと自信を持ってグラウンドに立てる自分がずっといた」
貴重な経験を積みながらも、確かな手応えを得ていたのは間違いない。だからこそ、最終戦後には「今日から162試合やれと言われても、僕にはできる。今から162試合やれと言われても、何の問題もない状態にある」と話している。
来季の去就は不透明だ。地元メディアの間では、フリーエージェントとなる安打製造機がヤンキースと再契約する可能性は、低いと見られている。ただ、全てはFA市場の状況次第。あらゆる可能性があると考えられる。
激動のシーズンが終わり、ホッとしたかを聞かれると、イチローは「そら、終わったときはもちろん解放されるから。少なくとも僕がやってきたシーズンではそうです」と答えた。
さらに、デレク・ジーターという、自分と同じ“レジェンド”と2年半をともにプレーしたことについては「一緒にやっていく選手が同じ価値観を共有して、やっている気持ちよさ。それを感じさせてくれる人だった」と話した。
これまでに経験したことのないシーズンを終え、イチローがいったい何を求めるのか。来季の所属先を決める要素は、いくらでもある。10月に41歳を迎える男は、しばらく体を休めてから、新たな戦いが始まることになる。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count