ヤンキースオーナーが田中将大の右肘負傷について日本での投球過多が一因との見解を示す
2か月半の離脱を経て復帰も「様子を見守らなければいけない」
ヤンキース共同オーナーのハル・スタインブレナー氏が右肘靭帯部分断裂により7月途中から約2か月半離脱した田中将大投手の故障の原因について、日本での投球過多にあるという分析をしている。
ESPNニューヨークのラジオ番組「マイケル・ケイ・ショー」に出演したスタインブレナー氏は、メジャー挑戦1年目に13勝(5敗)を挙げる活躍でチームの勝ち頭になった田中の肘の問題について質問された。
「これは周知の事実だが、彼は日本で多くの球数を投げてきた。私は医者ではないが、多くの球数とイニングをこなしている投手には他の球数の少ない人間以上に問題が発生する傾向があることは私も理解している」と分析。駒大苫小牧高や楽天で積み重ねてきたイニングが靭帯部分断裂に至った一因とオーナーは見ている。
「それに関しては我々も心配しているが、彼はすべてのリハビリをこなした。メジャーで2試合投げて、痛みはゼロ。これは良い兆候だが、様子を見守らなければいけない」とも語っている。
ただ、近年は厳しい球数制限のあるメジャーで若手投手が肘を痛めるケースが多くなっており、一概に日本でのキャリアが影響しているとは言えない状況になってきている。日本よりも2日短い中4日の登板間隔が肘の炎症を取るために十分でないことはレンジャーズのダルビッシュ有投手も認めており、スタインブレナー共同オーナーの見方は極めて米国よりだとも言えるだろう。
7月8日のインディアンス戦後に右肘を痛めた田中だが、チームドクターら複数の専門家の診断により、保存治療を選んだ。ひとたび右肘に違和感や痛みが出れば、肘の靭帯を再建するトミー・ジョン手術に踏み切らざるを得ない。その場合は全治1年から1年半という長期離脱を迫られる。
復帰2試合を投げるなど順調に復帰への階段を上がり、ジョー・ジラルディ監督も来季の田中の完全復活に手応えを示しているが、スタインブレナー氏は慎重な構えを崩していない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count