ヤンキースVSレッドソックスのライバル関係が映画の撮影現場にまで飛び火!?
米俳優がヤンキースキャップを被ることを拒否
ヤンキースとレッドソックスの両名門は今季プレーオフ進出を逃し、シーズンを終了しているが、不倶戴天のライバル関係にある両軍の“場外戦”は意外なところで加熱している。
地元紙ニューヨーク・タイムズによると、両軍のライバル関係が映画の撮影現場にまで飛び火している。
俳優のベン・アフレック氏は全米で公開が始まったデビッド・フィンチャー監督の新作映画「ゴーン・ガール」に出演。「ファイト・クラブ」など様々な作品を世に送り出してきたフィンチャー監督と、自らも脚本を手がけることもあるアフレック氏は意気投合したというが、一点だけ受け入れられなかったことがあったという。
「デビッド・フィンチャーと仲良くなるなんて思わなかったよ。それは本当に驚きで自分にとってボーナスだね。でも、1度だけ喧嘩をしたんだ。まさに喧嘩だね」
アフレック氏はそう語っている。
ニューヨークの空港のシーンで、アフレック氏の演じるニック・ダンという男性は一目を避けるために野球帽を深く被るシーンがあったという。ここで監督はアフレック氏にヤンキースの野球帽を被ることを要求。映画の役柄とシチュエーションに最も適したキャップだったが、アフレック氏は断固拒否したという。
「僕は言ったんだ。デビッド、君を愛しているし、君のためなら何でもやる。でも、ヤンキースの帽子は被らない。それだけは断る。大事なことなので被れない。それを頭の上に乗せるなんでできない」
アフレック氏は熱狂的なレッドソックスファン。役柄とはいえ、宿敵ヤンキースに対する拒否反応は抑えきれなかったようだ。
監督は「これは運命なんだ」と無理矢理被らせようとしたが、断固拒否を貫いたアフレック氏は「あれは暴動だよ。ヤンキースに対するたった一人の暴動だよ」と振り返っている。
結局ヤンキースと同じ本拠地のメッツのキャップを用いることで落ち着いたという。「スイスって感じだよね」。ヤンキース対レッドソックスの狭間で最終的な落としどころになったメッツの帽子を、アフレック氏は永世中立国にたとえている。
プレーオフ地区シリーズはどのカードも名勝負が続き盛り上がりを見せている。一方で、ヤンキースは今季開幕前に5億ドル規模の強化費をつぎ込みながらも2年連続でプレーオフ進出を逃し、昨年ワールドシリーズ王者のレッドソックスも今季ア・リーグ東地区最下位に沈んだ。来季に向けて巻き返しを見据えるその両球団の凄まじいライバル関係を如実に表すエピソードとなっている。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count