あるか下剋上 専門家から「阪神有利」の声
阪神は福留、巨人は阿部がキーマン
「相手からすれば、鳥谷、ゴメス、マートンと並ぶクリーンナップは脅威です。彼らの破壊力を、どれだけ相手に対して圧力として掛けられるかが重要になってきます。
また、その後ろに復調した福留が控えているのも大きいですね。1戦目で決勝打となるホームランを打ちましたが、あの場面では明らかに前田健太も投げづらそうにしていました。結果論になりますが、無理して勝負に行く場面ではなかったですが、甘い球を仕留められた、そこに福留の好調さが表れていると思いますね」
阪神と相対する巨人は、今季チームの勝ち頭である菅野が負傷で投げることができない。これはかなりの痛手だろう。
「巨人は1勝のアドバンテージがあるとはいえ、苦戦するとは思います。初戦を取って先に2勝のリードを持てれば、かなり余裕を持って戦えるとは思いますが、今年の巨人には絶対的な強さが感じられません。初戦を阪神が取るようなことがあれば、一気に流れは阪神に傾くと思います。
初戦の先発は、個人的に澤村が行くのではと予想しています。今年の内海に初戦を任せられるのかすごく判断が難しいですし、阪神との相性も良くありません」
内海は今季、阪神戦に2試合登板して13回を投げ自責点が8、0勝1敗で防御率は5.54だ。一方の澤村は、序盤出遅れ、中継ぎ起用などもある苦しいシーズンとなったが、阪神戦の成績は4試合で2勝2敗、防御率は2.93。今季唯一の完封勝利を含む2完投と、相性は決して悪くない。
最後に、両チームでキーポイントとなりそうな選手を聞いた。
「阪神のキーマンは、ファーストステージに引き続き福留です。クリーンナップの破壊力は間違いなく巨人より阪神の方が上ですし、出塁率も高い。その後ろに控える福留が、どれだけ働けるかでシリーズの行方は大きく左右されると思います。
そして巨人は、阿部です。阿部が攻守両面で、どれだけ本来の力を発揮できるか。阿部の活躍次第で、巨人のチーム力はまったく違ってくる。阿部にとって今季は苦しいシーズンでしたが、それを払拭するような活躍を期待したいですね」
総合力の巨人、勢いの阪神。果たしてどちらが日本シリーズへの切符を手にするのだろうか。
■クライマックスシリーズ・ファイナルステージ勝ち抜けの条件
クライマックスシリーズのファイナルステージは、リーグ戦1位のチームに1勝のアドバンテージが与えられ、さらに1位チームの本拠地で全試合が開催される(6試合制)。アドバンテージの1勝を含め、先に4勝したチームが勝ち抜ける。引き分け試合が入り勝ち数が並んだ場合は、リーグ戦1位のチームが勝ち抜け。
【了】
飯田哲也プロフィール
スポーツコメンテーター。1968年東京都出身。1987年に捕手としてヤクルトスワローズに入団、主に外野手としてヤクルトの1番バッターを長く務めた。2005年からは2年間楽天イーグルスに在籍。2006年に現役を引退すると、古巣ヤクルトで2013年まで守備・走塁コーチを務めた。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count