快進撃を見せるチーム同士の好対決 現地メディアが「史上最低のWS」と報じるのはなぜ?
実際には野球の醍醐味が詰まった対戦
さらには、両軍のポストシーズン進出は地区ごとの戦力格差の恩恵だという議論もあるという。ロイヤルズはワイルドカード進出を争ったマリナーズと最終的に2ゲーム差を付けた。ただ、マリナーズはエンゼルス、アスレチックスという2大強豪と同じア・リーグ西地区で苦しみながらも勝ち星を積み重ねていた。
ナ・リーグ5番目の成績でレギュラーシーズンを終えたジャイアンツは、ダイヤモンドバックス、ロッキーズというリーグ最弱の2チームと同じナ・リーグ西地区にいた地の利もあったと分析されている。
特集では「勝ち方を知り始めたロイヤルズと2010年から勝ち方を熟知するジャイアンツとの対決」と定義。
「(ワールドシリーズの)6試合か7試合のうちに、ロレンゾ・ケインのダイビングキャッチの数々やトラビス・イシカワのホームラン、ロイヤルズの盗塁、マディソン・バムガーナーのスライダー、ヨルダノ・ベンチュラの速球、バスター・ポージーの勝負強いバッティングを見せてくれるのなら、90勝以下同士の対決であることを忘れるだろう」
こう指摘しており、最終的にはこれまでポストシーズンを彩ってきた両軍の名プレーの再現を期待していた。
実際には、機動力や小技、強力ブルペンを駆使する継投策、そして意外性のある一発など、両軍の持ち味を生かせば、野球の醍醐味が詰まった対戦になることは間違いない。しかも、ライバルをいとも簡単に蹴散らすほど勢いに乗って勝ち上がってきたチーム同士の激突となるだけに、メジャー史に残る熱いシリーズを期待せずにはいられない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count