ワールドシリーズのポジション別対決はロイヤルズがジャイアンツに勝利 青木宣親はメジャーを代表する相手右翼手を上回れるか
「スモールベースボール」のお株を奪うロイヤルズの機動力
ここからは総合力を問われる勝負。まず、ベンチ部門はロイヤルズが有利となっている。ジャロッド・ダイソン、テレンス・ゴアの快足コンビが代走として控えるメンバー構成は、相手にとって脅威。2人が快進撃の立役者にもなっている。
先発投手部門では、ジャイアンツの勝利。ロイヤルズのジェームズ・シールズも好投を続けているが、マディソン・バムガーナー擁するジャイアンツが上との評価だ。一方、ブルペン部門ではロイヤルズに軍配が上がっている。ケルビン・ヘレーラ、ウェード・デービス、グレッグ・ホランドの強力救援トリオは、ロイヤルズ最大の強み。先発投手が6回までリードを守れば、勝利は確実とも言える。クローザー部門もジャイアンツのサンティアゴ・カシーヤよりも、ホランドの方が上との見方だ。
守備部門はロイヤルズに軍配。驚異的なプレーを連発するロイヤルズの守備は、WS最大の見所の1つかもしれない。走塁部門でもロイヤルズが勝利。ダイソン、ゴアだけでなく、青木らスタメンの選手たちにもスピードがあり、盗塁も怖がらずに次々と仕掛けてくる。ジャイアンツの「スモールベースボール」のお株を奪う機動力は驚異的だ。
最後に、監督部門はジャイアンツのブルース・ボウチー監督が上とされている。5年で3度のWS進出は、見事と言うしかない。ネド・ヨスト監督の采配もPSに入ってからハマっているが、これについては異論は少ないだろう。
以上の全部門を足すと、ロイヤルズが9勝5敗1分で上回っている。ジャイアンツとしては、最初にロイヤルズの勢いを殺さなければ、全敗したエンゼルス、オリオールズの二の舞になる可能性も十分にありそうだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count