WSの熱戦の裏でチーム改革に動き出すメジャー各球団 ナ・リーグ西地区に大変革の予感
ともに37歳と若いGMが誕生したロッキーズとパドレス
1999年から15年間にわたりロッキーズGM職を任されていたダン・オダウド氏と実質GMのような働きをしていたメジャー部門の責任者ビル・ガイベット氏が辞任したことで、選手育成部門のシニアディレクターを務めていたジェフ・ブリディッチ氏がGM職に昇格することになった。
ハーバード大学時代に自らも野球をプレーしていたブリディッチ氏は、37歳という若さながらロッキーズのフロントオフィスでは10年の経験を持つ。“オダウドの右腕”と呼ばれた切れ者で、マット・ホリデー(現カージナルス)やトロイ・トロウィツキーがマイナーにいた頃は、マイナーの選手統括を行っていた。
あまり知られていないことだが、ロッキーズの場合、ヤンキース同様、オーナーの発言権が強い。オーナーのディック・モンフォート氏は球団社長を置かず、自ら意思決定を行っていく人物だ。ブリディッチGMがまず目指さなければならないのは、オーナーの全面支持が獲得できるように、自らのカラーをプレゼンすることだろう。
今季途中からパドレスのGMに就任したのは、レンジャーズでGM補佐を務めていたAJ・プレラー氏だ。レンジャーズでは大学時代から親友のジョン・ダニエルズGMを手助けし、主に中米諸国での選手発掘に尽力してきた。キューバから亡命したリオネス・マルティンや二塁手ルーグネッド・オドル、遊撃ジュリクソン・プロファーらの契約を勝ち取った当事者でもある。
こちらも37歳という若さでの就任だが、プレラーGMを知るスカウトたちが口を揃えるのが「彼ほど長時間ネット裏で過ごす人物はいない」ということ。つまりは、野球が行われている場所であれば、自らの目でじっくり選手の才能を見極めるため、アメリカに限らずドミニカ共和国でもベネズエラでも飛んでいく行動派というわけだ。プレラー氏の就任に伴い、パドレスも国際色が強まることが予想される。