7回3安打1失点の好投 日本シリーズ初勝利で光ったソフトバンク武田の「笑顔」
プロ1年目で8勝も2年目に壁にぶつかる
高卒新人ながら、2012年にシーズン途中から頭角を現し、いきなり8勝をマーク。ホークスの若きエースとして期待された。普段からにこにこと笑顔を絶やさない武田だったが、昨年は2年目の壁にぶつかった。1年目の疲労もあり、右肩痛に苦しみ、4勝4敗。思うような投球ができず、持ち前の笑顔が消えた。
今季途中の8月に戦線復帰し、ポストシーズンになんとか間に合った。マウンド上の笑顔は見た人にとっては不快に思う者もいるかもしれない。だが、武田にとって野球は「メンタルのスポーツ」。気持ちを立て直す「儀式」となっていた。これが勝利につながった。
初戦を落とし、負けられない一戦で勝利を収めた。
「1敗してたんで最低でも1勝して(福岡に)帰りたいな、と。ヤフオク(ドーム)で巻き返したいなと思っていた」
プレッシャーのかかる中でも、自分のペースを保つために、笑顔を忘れずに挑んだ試合。遅れてきた“笑顔の似合う男”が大一番で大きな仕事を成し遂げた。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count