人気上昇で争奪戦の可能性も FA青木宣親の来季去就はどうなる?
高まる青木人気、果たして他球団移籍の可能性は?
ロイヤルズ以外のチームはどうか?
米メディアで早々に名前が挙がったのはオリオールズだ。今季、ア・リーグ東地区を制してプレーオフに進出しながら、リーグ優勝決定シリーズでロイヤルズに4連敗。今オフにはニック・マーケイキス、ネルソン・クルーズらがFAとなった。特に、マーケイキスは「1番・右翼」としてチームを牽引する存在だっただけに、仮に残留とならなかった場合には、“後釜”が必要になってくる。
ESPNは「リードオフマンを務めることができ、出塁率の高い外野手の補強がこのチームの一番の優先事項であるようだ。このため、ノリチカ・アオキがトップターゲットになるかもしれない」と言及している。リーグ優勝決定シリーズでも青木のプレーを細かくチェックしていた可能性は高く、知将のバック・ショーウォルター監督の野球にもフィットしそうだ。
ここにきて俄然、注目を集めているカブスも候補の1つか。カブスは31日にリック・レンテリア監督の解任を発表。レイズとの契約延長オプションを破棄した名将ジョー・マドンを新指揮官として招聘した。荒削りながら、若くて能力の高い選手は多いだけに、古豪の復活は約束されたと言ってもいいだろう。
ただ、内野と比べると、外野の陣容は不足しているように見える。しかも、緻密な野球をするマドン監督にとって、青木は間違いなく好みの選手。人格者で、実績のある選手の扱い方も非常にうまく、選手も気持ちよく野球ができるはずだ。青木が昨年までカブスと同地区のブルワーズでプレーしていたこともあり、カブス首脳陣もその能力は十分に把握している。興味深い選択肢の1つであることは間違いない。
同じナ・リーグ中地区で言えば、カージナルスも浮上してくる。プレーオフ常連の強豪も、青木のような選手が生きるチーム。将来のスター候補だったオスカー・タベラスが先月26日に母国ドミニカ共和国で交通事故死するという悲劇もあり、外野の層は厚くない。マット・カーペンターと青木の1、2番コンビとなれば、機能する可能性は十分にある。
ほかには、ア・リーグ西地区を制したエンゼルス、プレーオフ進出を惜しくも逃したマリナーズも右翼、リードオフマンに絶対的な存在はいない。プレーオフ進出を狙えるチームとなると、現時点ではこれらの候補が浮上してくるが、当然、他にも青木を狙っている球団はあるだろう。
青木人気は高いだけに、今年中に来季のチームが決まる可能性は高い。オフに入っても、安打製造機の動向から目が離せない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count