田中将大はなぜ新人王候補に入らなかったのか? 響いた負傷離脱と候補3選手の驚異的な成績
来季はサイ・ヤング賞獲得の期待がかかる田中
田中と同じ先発投手のシューメーカーの存在感も光った。6月途中から完全に先発ローテーションに定着した右腕は、27試合(先発20試合)に登板して16勝4敗、防御率3・04。白星の多さ、黒星の少なさで田中を上回った。
田中は2か月半の離脱が響いて136回1/3の登板に終わったが、シューメーカーも136回を投げた。8月には延長戦でのリリーフも含めて7試合に登板し、6勝(1敗)をマーク。田中とは対照的に勝負所の後半戦で結果を残し、2009年以来となるエンゼルスのア・リーグ西地区制覇に貢献したことも、印象としては大きかった。
3人の成績が、例年の新人と比べても極めてハイレベルだったことは間違いない。もっとも、田中が右肘を負傷することなくシーズンを送っていれば、新人王どころか、サイ・ヤング賞候補にも名前が挙がっていたはず。前半戦の活躍は、それほど衝撃的だった。
田中自身は、シーズン最終戦の日に「この世界で1シーズン、ローテーションを守る難しさを感じましたし、実際にシーズンの半分しか働くことができなかったので、この経験を糧に来シーズンしっかりと戦っていけるようにオフシーズンに準備したい」と話している。
2か月半の離脱があったこともあり、後半は復帰へ大きな力を注いでいた。今季のタイトル獲得については、本人もこだわりは持っていなかったはずだ。来季のフル稼働とサイ・ヤング賞獲得に大きな期待がかかる。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count