ここ3年の貢献度で算出のメジャーFAトップ50で黒田5位、青木14位、イチロー36位にランクイン
ベテランの黒田が抜群の安定感を称賛される
今オフの市場で最も価値がある選手は誰なのか。ここ数日、米国のあらゆるメディアがランキング形式でフリーエージェント(FA)の選手を紹介する特集記事を掲載している。そんな中、MLB公式サイトが最も分かりやすい方法で大物たちを順位付けした。
用いられたのは、セイバーメトリクスの評価指標として現在のメジャーで最も重視されているWAR(Wins Above Replacement)。打撃、守備、走塁、投球を総合的に評価して選手の貢献度を表す指標であり、そのポジションの代替可能選手と比較し、どれだけ勝利数を上積みしたかを表す数値だ。日本人では、ヤンキースからFAとなった黒田博樹選手の5位、ロイヤルズからFAの青木宣親外野手が14位、またヤンキースからFAのイチロー外野手が36位で登場している。
特集記事は「FA選手たちを評価する方法は数多くあるが、今回、我々は雄弁に物語る数字に耳を傾けることにした。以下は50人の今オフの主要FA選手のリストを、過去3年間のWARでランク付けしたものだ」との書き出しでスタート。より最近のパフォーマンスを重視するために、2014年を3倍、2013年を2倍として、3シーズンのWARを合計した数値で、順位が付けられている。
日本人トップは、今年で39歳ながら安定したパフォーマンスを続ける黒田博樹投手だ。ヤンキース初年度の2012年からの3年間で積み上げたWARは12.0で、今回の計算式で獲得したポイントは20.9となっている。辛辣なニューヨーク・メディアの間でも高く評価されている投球は、数値で表してもハイレベルとなっている。
寸評では、ヤンキース残留、移籍、引退、日本復帰という選択肢がある中で、去就が注目されている右腕を絶賛。「この年齢にして、黒田のような安定感を提供するピッチャーは少ない。彼は196イニング以上の投球とリーグ平均以下の防御率を5シーズン連続で同時に達成している」と評価している。
さらに「今年1600万ドル(約18億3200万円)を稼ぎ、日本に帰るか、またはメジャー8季目を送りうる堅実なベテランに対し、ヤンキースはクオリファイング・オファー(QO)を行わなかった」と言及。今季は規定額が年俸1530万ドル(約17億5000万円)に設定されている残留オファーを出さなかった名門に対して、疑問を投げかけるような一文も盛り込まれている。
米メディアの間では「引退」を予想する声も多いが、鉄腕に対する評価は依然として極めて高い。古巣のドジャースが獲得に動いているとの報道も出ており、どんな選択をするのかに注目が集まる。