イチローが感銘を受ける選手とは “レジェンド”ジーターと“WS・MVP左腕”バムガーナーの共通点
イチローが野球道具を大切にするのはなぜか
同じインタビューで、イチローは自身の「野球観」についても明かしている。野球道具を大切にするのは有名な話だが、その思いを以下のように説明した。
「僕だけがそうしているとは思いませんが、個人的には、ウェイトトレーニングをして、打撃練習をして、ストレッチして、試合前にボールを投げて、そういったこと全てが試合への準備になっています。もしそうやって試合に備えるよう心がけてきたなら、バットを粗末に扱う理由がありません」
さらに、日本人に限らず、メジャーファンにとってイチローについての関心事の1つには「一塁ベース上での会話」があるのではないだろうか。出塁したイチローが一塁手と言葉を交わし、時には笑みを浮かべる姿は、シーズンを通して見ることができる。
「誰に対してもふざけていると思います。僕に話しかけてくる人たちも、僕は彼らを理解してはいるけど、どれだけ理解しているかわかってない、と思っているでしょう。深い会話……、を交わしているわけではないですよ。ただ笑いかけて、何か明るくて面白いことを言うくらいしかできませんし、それで十分でしょう」
一塁手が実績のある選手であるときほど、会話は盛り上がっているようにも見える。そのわずかな時間を楽しんでいるということは、やはり間違いなさそうだ。
ヤンキースが外野手のクリス・ヤングと再契約したため、イチローが残留する可能性は低くなったと見られている。ただ、どこでプレーしていようと、野球に対する真摯な思いは変わらない。バムガーナーと対戦する可能性がより高まるナ・リーグ、という選択も見てみたいが、どうなるだろうか。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count