パ・リーグが着手する海外進出 台湾における日本プロ野球の中継事情
台湾で突出した人気を誇る野球
――メジャーリーグや台湾プロ野球と比較して、日本のプロ野球の潜在的な人気はどうでしょうか?
張「台湾人選手が最も重要な要素となります。我々はメジャーリーグでも日本プロ野球でも、常に台湾人に焦点を当てますから。当たり前ですが台湾プロ野球にはメジャーや日本プロ野球よりも台湾人が多くいます。野球は台湾の文化であり、女性がドラマを見るのと同じように我々は毎日野球の試合を見ています。ラジオと似ていますね。テレビを付けて、ただ聞いている。
野球はこの島で一番人気のあるスポーツですから、もしメジャーリーグや日本プロ野球のような高級でハイレベルな野球を見ることができれば、皆いっそう幸せでしょう。
台湾プロ野球は、そんな他国のハイレベルな野球と比較しても、ちょっと特別な存在ですね。地元のスポーツですから。ただ野球そのものは台湾で一番のスポーツですよ」
劉「台湾プロ野球は地元のスポーツなので言うまでもなく視聴者が最優先で観るものですが、メジャーリーグや日本プロ野球に関しては、台湾人選手が出ているのかどうかによるでしょうね」
――台湾プロ野球の人気は上がっているのでしょうか、それとも下降していますか?
劉「上がっています。中学や高校からより多くの学生が野球チームに入っています」
張「野球は台湾の文化なんです。野球だけが狂った人気を得ていて、政府や会社から後援を得ています。市場で言うと、野球のシェアが60%、バスケットボールが20から30%、残りが10%というところでしょうか」
――つまり、台湾の人々のほぼ皆が野球好きであると。
劉「そうですね。誰もがルールや遊び方を知っていて、試合を観戦していますから。これは重要なことです。例えばサッカーについて。実のところ台湾人はいつもサッカーを観ているわけではありません。4年に1回、FIFAワールドカップだけ観て、他は観ていないのです。しかし野球なら国内外問わず、ほぼ皆が好んで観戦します」
張「それに、子供たちは皆、野球選手になりたがるんですよ」
劉「また、陽岱鋼が人気を得たWBC以降、台湾人はいっそう野球にチャンネルを合わせることが多くなりました」
張「陽岱鋼は変化をもたらしました。これまでは24歳から44歳の男性が主な視聴者でしたが、WBC以降、24歳から44歳の女性も野球を見るようになったのです」
――最後に、台湾ではどのくらい日本の試合が放送されているのですか?
張「台湾で放映されているのはまだそれほど多くありません。もし台湾人が誰も出場していなければ、我々には何もできません。今は週にメジャー10試合、日本プロ野球を5から6試合放映しています。人気や可能性といった面では、未だメジャーのほうが日本プロ野球より高いですね。
しかし我々は可能ならば、この先もっと日本プロ野球を放映しようと考えています。幸いなことにパ・リーグと我々は同じゴールを設定しています。ですから日本プロ野球の人気は今後上がっていくと信じています」
【了】
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count