メジャーにも衝撃を与えた侍戦士 柳田悠岐と菊池涼介が秘める可能性
高い守備に加え、打撃の進歩も見られる菊池
そしてもう一人、守備面で突出したプレーを見せたのが、セカンドの菊池涼介(広島)だった。今回の侍ジャパンでは、菊池と山田哲人(ヤクルト)の2人が、セカンドの選手として選ばれていた。大会前からどちらが起用されるか話題になっていたが、蓋を開けてみれば小久保監督は菊池がセカンドのファーストチョイスとなり、山田はサードやファーストを守った。
「大会前から、個人的な意見としては菊池を起用して欲しいと思っていました。やはり日本野球の特徴は守りの強さにあると思いますし、菊池の守備は圧倒的です。小久保監督も菊池の高い守備力に期待して、起用したと思います。もちろん打撃面でも毎年進歩していますし、素晴らしいセカンドに成長してきていると思います」
菊池は親善試合として沖縄で行われた最終戦で、アメリカン・リーグの首位打者と盗塁王の2冠に輝いたホセ・アルテューベの打球を、ショートバウンドで捕球しグラブトスでアウトに。この美技に対しては、MLB公式サイトでも動画ニュースで紹介するなど、そのプレーが称えられた。
「菊池は最終戦のプレーだけでなく、シリーズを通して安定した守りを見せていましたし、持ち前の守備範囲の広さも見せてくれました。彼のプレーは、メジャーリーガーにも驚きを与えたと思います。柳田も菊池もまだまだ若いですし、来年のプレーが本当に楽しみです」
26歳の柳田悠岐と、24歳の菊池涼介。成長著しい若い2人が侍ジャパンでの貴重な経験を糧にプレーの幅を広げていけば、来季さらにスケールアップした姿が見られるだろう。
【了】
飯田哲也プロフィール
スポーツコメンテーター。1968年東京都出身。1987年に捕手としてヤクルトスワローズに入団、主に外野手としてヤクルトの1番バッターを長く務めた。2005年からは2年間楽天イーグルスに在籍。2006年に現役を引退すると、古巣ヤクルトで2013年まで守備・走塁コーチを務めた。
飯田哲也オフィシャルブログ
フルカウント編集部●文 text by Full-Count