巨額契約が頻出するMLBで米メディアが「払い過ぎチーム」を“選抜”
ヤンキースのAロッドらに厳しい声、「今FAなら契約先はない」
マーリンズのジャンカルロ・スタントン外野手が13年総額3億2500万ドル(約380億円)というプロスポーツ史上最大級の巨額契約を手にしたが、一方で報酬の“払い過ぎ”が米国で話題となっている。米テレビ局CBSスポーツ電子版が、大型契約を結んだものの報酬に見合わない成績となっている選手たちを検証。ポジションごとに“ワースト選手”を選出し、「ア・リーグ払い過ぎチーム」として特集を行っている。
捕手部門に挙げられたのは昨オフに大型契約でブレーブスからヤンキースに加入したブライアン・マッキャン。同選手は4年6800万ドル(約79億6000万円)の契約が残されているが、今季は打率.232、23本塁打、75打点という成績に終わり、出塁率.286はキャリア最低だった。また、記事では今オフにFAでパイレーツからブルージェイズに5年8200万ドル(約96億円)で移籍したラッセル・マーティン捕手に関しても今後の“リスク”を指摘している。
一塁手ではレンジャーズで6年1億4400万ドル(約168億円)の契約を残すプリンス・フィルダー、指名打者(DH)では残り7年1億8900万ドル(約221億円)のアルバート・プホルス(エンゼルス)が選出されている。
“最も頑丈なプレーヤー”のはずだったフィルダーは今季ヘルニアの手術で戦線を離脱。42試合の出場にとどまり、打率.247、3本塁打、16打点に終わった。同選手に関して記事では全盛期のような力を取り戻すことは困難と予想。
また、2001年から10年連続で3割、30本、100打点とマークしてきたプホルスもそれ以降、成績が低下。今季は2年ぶりに100打点を超えたものの、記事では「彼はいまだに優秀なバッターでスラッガーとして恐れられているが、かつての彼ではない。それなのにあと7年間もかつての彼にふさわしい給料を手にすることになる。すでに悪い契約だが、さらに悪化する可能性もある」と手厳しく分析している。
二塁手で選出されたのは昨季レッドソックスのワールドシリーズ制覇に貢献したダスティン・ペドロイアで、残り7年9300万ドル(約109億円)、遊撃手部門はレンジャーズのエルビス・アンドラスで、残り8年1億1800万ドル(約138億円)。アンドラスは守備力を評価されているももの、盗塁の失敗数の多さなどが指摘されている。
三塁手で選出されたのは、禁止薬物使用問題で物議を醸したヤンキースのアレックス・ロドリゲスだ。今季全試合出場停止となった同選手は3年6100万ドル(約71億円)の契約が残されている。確かにAロッドに対しては全米で厳しい見方が多いが、記事では「今、彼がフリーエージェント(FA)市場に出たなら、契約先なしに終わる気がしてならない」と切り捨てている。