多数の先発候補がひしめくソフトバンク 松坂加入で先発ローテはどうなる?
5、6人のローテの軸となる投手の重要性を語る工藤新監督
層の厚さはここからである。寺原隼人、帆足和幸のベテラン2人、次代のエース候補の東浜巨、岩嵜翔、大場翔太、山田大樹の若手たちがおり、そして、右肘内側側副靱帯損傷で6月に手術を受けた助っ人のウルフもシーズン後半には復帰の見通し。これだけで、先発候補は13人。いずれも、先発陣の手薄な他球団なら、1軍ローテに入って遜色のない顔ぶれだ。これに、さらに国内FA権を行使したオリックスの金子にも関心を示しているのだから恐ろしい。
球団の後藤芳光社長兼オーナー代行は「チームのためになる戦力、若手の成長につながる選手を総合的に判断していく」と、かつて話していた。松坂には先に挙げた東浜ら、若手投手の手本という側面からも期待を寄せられている。松坂効果、そして、工藤新監督の教えで、アッと驚く新星が現れる可能性もある。
もちろん、松坂自身がどれだけ活躍するかも未知数であるし、ケガ人などでシーズン中に必ずローテには空きが出来るもの。それでも、これだけの陣容がそろっていれば、そういった事態への備えは万全と言えるのではないだろうか。
「(今季は)1年間、安定してローテを守った投手は少ない。打つ方は12球団で1番だから、投手を中心とした守りを作れれば、結果は出ると思う」と、工藤新監督は、5、6人のローテの軸となる投手の重要性を語っている。
確かに、今季を振り返れば、唯一の不安要素は先発陣だった。松坂加入で穴を埋められれば、より強大となるソフトバンク。来季もパ・リーグの中心は、このチームになるかもしれない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count