球団にとっても悩ましいテーマ? FA選手に提示する「背番号」は“誠意”となるか
DeNAは松坂に背番号1を用意したとされるが……
一方であまりいい影響を与えないケースもある。ソフトバンク移籍が決定的になっている松坂大輔投手。DeNAと最後まで悩んだが、ホークスの道を選んだ。その裏には金額だけでなく、提示した背番号が影響したという指摘もある。
DeNAは年俸3億円前後の複数年契約に加えて誠意を示すために背番号1を用意したとされるが、関係者の間では「これがプラスに働かないのでは」という声があった。
というのも、背番号1はつい最近まで生え抜きとしてプレーしていた金城がつけていた番号。長らくチームを支えてきた功労者であり、ファンの間でも長らく金城の番号として定着していた。空き番号をどう使うかは球団が判断することではあるが、「空いたからすぐに渡すという考えは選手への愛着の度合いが表れる」という見方もある。
背番号は選手を象徴するもの。球団によっても様々な背景が詰まっている。背番号を交渉における“誠意”として選手に提示しても、移籍の決定打になる場合と、ならない場合があり、紙一重と言えるのかもしれない。移籍先における新たな背番号は見ている側にとっても興味深い話題ではあるが、駆け引きをする球団にとっては悩ましいテーマでもある。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count